2016年01月31日

最低限の仕事

難民受け入れに積極的だったドイツのメルケル首相に対し、ドイツ国民は厳しい評価を下している。独誌の最近の世論調査によれば、メルケル氏は首相を辞任すべきと考えている国民が4割にもなるという(読売電子版)

中東などから大量の難民らが欧州に流入している問題への対処を巡り、ドイツ国民の約4割が、メルケル首相は辞任すべきだと考えていることが29日、独誌フォークス(電子版)が公表した世論調査の結果で判明した
>世論調査は、同誌の委託を受けた調査機関が1月22〜25日に実施。39・9%がメルケル首相に辞任を求めたのに対し、辞任する必要はないと回答したのは45・2%だった
>昨年9月、メルケル首相が難民を歓迎する意向を表明した際には幅広い支持を集めたが、過度な流入に歯止めをかける効果的な政策を打ち出せず、政権内部でも孤立が深まっている


政権や政党の支持率ではない、一国の現役の首相が国民の4割から辞任を迫られているのだ。これは尋常ではない。

「ナチスの記憶」だか知らぬが、安直な理想主義のもと難民受け入れ路線をひた走ってきたドイツだが、昨年大晦日の難民による常軌を逸した集団女性暴行事件を経て現実の厳しさに直面し、さすがに脳内花畑の花も萎れてきたのだろう。

難民受け入れも結構。東洋にも「窮鳥懐に入れば猟師も殺さず」という諺があり、庇護を求めてきた人々を一時的に保護する人道精神は否定しない。

しかし数百万人規模となれば話は異なる。国の中に別の国、自治区ができてしまうレベルだ。文化や考え方が異なる人々をコミュニティに共存させるだけでも至難だ。彼らを自活の道に導くことはさらに困難だ。

困難のうちに難民の不満が鬱積し、いつしか受入国を逆恨みするようになる。受入国の国民はそんな難民たちを嫌悪することは必定だ。どんな理想主義国家でもそれは止められない。

そして何より当面の治安の維持さえ格段に難しくなることは先の事件に限らず、多くの前例が示唆している。ドイツはそのような事態を予見し周到な準備の下に受け入れてきたとは思えない。

その結果が大晦日の暴行事件である。

ドイツに限ったことではない。スイスやスウェーデンなどでも難民たちが引き起こす事件は枚挙にいとまがない。彼らから自国民を守れない指導者は、最低限の仕事もできていないことになる。退場せよと罵倒されても仕方あるまい。

そもそも難民受け入れは、近隣国による緊急避難的な規模の措置に留め、分散して隔離することを基本とすべきだろう。これは差別や虐待ではない。受け入れ国民との軋轢を最小限にし、平和的な共存を維持するために必要な管理である。

その上で、以前の記事でも書いたことだが、難民対策の根本は難民を発生させないこと、紛争国の情勢を安定化させて、彼らが母国で普通の暮らしができるようにしていくこと以外にない。それは中東を攪乱させてきた欧米諸国家の責務でもあることを付言したい。
posted by 三四郎 at 18:47| 千葉 ☀| Comment(2) | TrackBack(0) | 政治・経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年01月30日

記憶遺産という茶番

「世界遺産」といえば「軍艦島」や「慰安婦」など、昨年さんざんに日中韓の歴史に関わる宣伝戦に利用されて以来、俺の中ではいい印象がない。

それが性懲りもなくというか、またぞろ「記憶遺産」を申請するらしい。それも「朝鮮通信使」を韓国と共同で申請というから念の入ったことだ(読売電子版)

外交使節団「朝鮮通信使」の関連史料の世界記憶遺産登録を目指し、長崎県対馬市で29日、国連教育・科学・文化機関(ユネスコ)への共同申請を決めた日韓両国の関係者たち
>2012年から進めてきた申請準備をほぼ終えたことに安堵しながら、登録実現によって両国の友好が深まることを願った
>市内で開かれた会合で、3月に申請を行うことなどを確認した日本のNPO法人「朝鮮通信使縁地連絡協議会」の松原一征理事長(70)と、韓国・釜山市の財団法人「釜山文化財団」の李文燮代表理事(63)は申請書に署名し、記者会見に臨んだ
>日韓関係を巡っては、これまで歴史認識を巡って問題が生じてきたが、松原理事長は「日韓関係の明るいニュースとして、ムードが変わってほしい」、李代表理事は「戦争が多い世界で、どうやって共存していけるかという教えが、通信使の史料に盛り込まれている。登録されることで両国がもっと文化的に交流し、繁栄できる」と述べた
>共同申請の動きに、地元住民らの間では地域の活性化への期待が高まっている。元市教委文化財課長で対馬観光ガイドの会「やんこも」の会長・小島武博さん(67)は、旧対馬藩主・宗家十万石の城下町として栄えた厳原中心部で、観光客や地元の小中学生に地域の歴史を伝えている。「当時の対馬の人たちの思いや知恵、生き方などを感じ取ってもらいたい」と願い、登録を心待ちにする
>対馬観光物産協会は、観光PR用に厳原中心部の史跡名所や観光地に加え、「城下町日本遺産」「朝鮮通信使」「のんびりウォーキング」の各コースを網羅したまち歩きマップを計5000部作成。韓国語入りも今年度中に5000部作る。同協会事務局や観光情報館「ふれあい処つしま」、港のフェリーターミナルなどで配布するという
>小島さんが会長を務める「朝鮮通信使対馬顕彰事業会」は、使節団の来日を実現させた初代対馬藩主の・義智の銅像建立を計画し、3月末頃に除幕を行う予定だ。「日朝交流の礎を築いた人物の銅像を対馬の歴史、文化のシンボルにしたい」と意欲を見せている


そもそも歴史に関わる記憶など立場によって全く違う。一つ間違えば泥沼のプロパガンダ、非難中傷の応酬になり、肝心の真実は見向きもされなくなる、最後は政治的妥協の産物となるか、どちらかが我慢もしくは無視せざるを得ない。

「世界遺産」という名を得るために何かを封印し何かを捻じ曲げる。「軍艦島」や「慰安婦」などを見れば明らかだ。そんな「記憶遺産」にどんな価値があるのか。

また2か国の共同申請というなら、関係者だけでなく、広く両国民各層の意見や感情も斟酌すべきではないか。昨今の日韓関係だけでなく、「朝鮮通信使」そのものも、沿道地域住民にとっては乱暴狼藉や窃盗被害の記憶でもあったといわれる。光があれば必ず生ずる影の部分を隠さず記憶に留められるのか。

必ずしも「友好の象徴」と受け止めている国民ばかりではない。そのようなものを民族間の感情的対立を融和させるために申請するのであれば世界遺産の政治利用に他ならない。

政治宣伝の場とかしたユネスコ信奉から、いいかげん卒業すべき時だろう。
posted by 三四郎 at 17:57| 千葉 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 政治・経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年01月29日

誰が仕掛けたか

予想通り甘利氏は「献金疑惑」によって辞任に追い込まれた。記者会見を見たが、これほど悔しそうな表情をした政治家を近来知らない。後任は石原伸晃氏だという(@niftyニュース/読売)

甘利明経済再生相(66)(衆院神奈川13区、当選11回)は28日、内閣府で記者会見し、違法献金疑惑をめぐる責任を取り、辞任を表明した
>安倍首相は甘利氏の後任に自民党の石原伸晃・元幹事長(58)の起用を決めた。28日夜に皇居で認証式が行われ、石原氏は経済再生・経済財政相に正式に就任した。首相の経済政策「アベノミクス」や環太平洋経済連携協定(TPP)交渉を担ってきた甘利氏の辞任は、安倍内閣にとって大きな打撃となる
>首相は28日夜、首相官邸で記者団に対し、甘利氏について「TPP交渉、アベノミクスの推進役として大変頑張っていただき、大変残念だが、甘利氏の意思を尊重する」と述べるとともに、「任命責任は私にある。国民に深くおわびしたい」と陳謝した。石原氏の起用については「アベノミクスは正念場だ。デフレ脱却を確かなものとするため、能力を発揮してもらいたい」と期待を示した。石原氏にはTPP相も兼務させる


甘利氏は文字通り「アベノミクス」の支柱であり、同様に安倍政権の屋台骨である菅官房長官(官邸)と麻生財務大臣(財務省)との間を取り持つなど、TPPの表舞台以上の活躍と存在感で重責を担ってきた。それだけに安倍首相にとっては「右腕をもがれた」に等しい打撃だろう。

参院選、消費税増税を控え、何より交渉のフロントに立ち続けたTPPの調印式を目前に控えてのスキャンダル。このタイミングといい、告発までのプロセスといい、トラップに落ちたというしかない。

事ここに至っての辞任はやむを得ないところだろう。しかし甘利氏だけが悪者になって済む話ではない。この際、告発者の背後関係を含め、捜査当局には徹底的な真相解明をしてほしい。そのためには件の建設会社の実名公表も避けるべきではない。選挙で選ばれた正当な政権を、このような姑息な手段で追い落とそうとする勢力の存在を決して許してはならない。

それはそれとして、後任が石原伸晃氏とはいかにも不安だ。お手並み拝見も何か危なっかしくて見ていられない気がする。正念場が修羅場にならぬよう、安倍首相、菅官房長官の手綱さばきに期待するしかない。
posted by 三四郎 at 14:44| 千葉 ☔| Comment(2) | TrackBack(3) | 政治・経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年01月24日

十年間の空白

分類枠はあるものの、滅多にスポーツ・芸能の話題を取り上げないこのブログだが、思わず括目したニュースがあったので紹介する(日経電子版)

>大相撲初場所千秋楽は24日、東京・両国国技館で行われ、大関琴奨菊(31、本名菊次一弘、佐渡ケ嶽部屋)が14勝1敗で初優勝を飾った。日本出身力士の幕内優勝は2006年初場所の大関栃東以来10年ぶり
>単独トップで千秋楽を迎えた琴奨菊は、豪栄道との大関対決を突き落としで制した
>琴奨菊は福岡県柳川市出身。相撲留学した高知・明徳義塾高校から佐渡ケ嶽部屋に入門し、02年初場所で初土俵を踏んだ。05年初場所で新入幕、11年秋場所後に大関に昇進した
大相撲の幕内優勝は06年初場所の栃東を最後に、白鵬の35回を筆頭にモンゴルなど外国出身力士が独占してきた


「えぇ?! 十年間も?」というのが第一の感想だった。

確かにこのところ外国人力士の活躍ばかり目立ち、わけてもモンゴル出身力士が優勝の常連だった印象がある。それにつれて、いつしか「大相撲」というものへの関心が薄くなってきたのも事実だ。

今回の琴奨菊という力士も、名前だけは聞いたことがある程度でどんな力士なのか全く知らない。日本人としてあまりに国技に対して失礼かもしれないが、やはりよほどの相撲好きでなければ、外国人の活躍ばかり見させられていればそうなるというものだ。

今回、琴奨菊が優勝したことで相撲にいくらか関心が戻る日本人も少なくないのではないか。

実力がモノを言う勝負の世界であれば、国技とて弱い者、精進が足りない者は淘汰されるのは当たり前。十年間もの間、日本人優勝者がいなかったことの意味と重みを、角界関係者だけでなく日本人一人ひとりが我がこととして省みるべきではないか。

そうするだけの必要性と価値が十分すぎるほどあるように思う。
posted by 三四郎 at 17:58| 千葉 ☀| Comment(2) | TrackBack(0) | スポーツ・エンタメ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年01月23日

揣摩臆測

甘利経済再生相の「違法献金疑惑」報道は、予想されたことながら甘利氏の進退に発展しそうな状況だ(読売電子版)

>政府・与党は22日、甘利経済再生相が違法献金を受け取ったとする週刊誌報道を受け、来週に予定される甘利氏の調査結果を踏まえて、進退を判断する方向で検討に入った
>政府は甘利氏が説明責任を果たすことを前提に、閣僚にとどめる考えだが、与党内には辞任論も出ている
>甘利氏は22日の衆院本会議で行った経済演説の冒頭、「週刊誌報道でお騒がせしている件については、大変申し訳なく思う」と陳謝し、「必要な調査を行い、事実を確認し、国民に疑惑を持たれないよう、しかるべき時期にしっかりと説明責任を果たす」と述べた
>これに先立つ記者会見では、大臣室などで自らが現金を受領したかどうかについて同席者にも確認し、1週間以内に調査結果を公表する考えを明らかにした。閣僚辞任については改めて否定した。萩生田光一官房副長官は22日の衆院議院運営委員会理事会で、28日までに調査結果が公表されるとの見通しを示した
(以下略)


この件については、献金を送ったとされる建設会社関係者も甘利氏の秘書も、その両方が「所在不明」となっているという。サヨク・反自民界隈では「消された」という揣摩臆測がまことしやかに飛び交い、民主党は嬉々として国会の場で追及の矢を放っている。

俺も無責任な個人ブロガーとして揣摩臆測させてもらえば、逆の意味で「嵌められた」のだと考えている。

だいたい自らの、或は身内の不祥事でこれに加担した人物を抹殺するなどというのはあまりに古臭く、分かりやすすぎる。露見したときのダメージは計り知れないほど大きく、甘利氏ほどの地位と実績がある政治家や政権党が敢えてとる方法とは考えられない。

それよりも反安倍・反自民あるいは反TPPの感情、思想信条を持つ一派が連携してトラップを構築し、週刊誌にリークした挙句、関係者を一斉に引き上げさせた(もしくは消した)可能性が高いと感じている。

それにしても甘利氏や政府与党は脇が甘い。ろくな政策もなく政権担当能力も皆無に等しく支持率も低落している野党が狙うことと言えば、与党有力政治家のスキャンダル等の敵失しかない。それを誘う時間だけはたっぷりある野党や反日勢力にエサを与えないことが鉄則だろう。

中国発世界不況の足音も高まる中、TPPの日本側キーマンたる甘利氏が退場することになれば、安倍政権のみならず日本にとって小さくないダメージになるだろう。与党政治家諸氏は心してほしい。
posted by 三四郎 at 10:34| 千葉 ☁| Comment(2) | TrackBack(4) | 政治・経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年01月22日

官製攻撃

台湾の次期総統になる蔡英文氏のフェイスブックに、中国大陸からの批判、牽制的な書き込みが殺到している、と中国メディアが報道しているらしい(楽天NEWS/読売)

>16日の台湾総統選で当選した 蔡英文 ・民進党主席のフェイスブック(FB)に、中国大陸からとみられる書き込みが殺到し、台湾の政治報道に慎重な中国メディアが「蔡氏FB炎上」などと報じる事態になっている
>22日現在、当選した蔡氏の立法院(国会に相当)改革などに関するコメントに、最大約4万5000件の書き込みが寄せられている。台湾とは異なる中国大陸で使う漢字(簡体字)で、「我々は同じ中華民族に属する中国人だ」「台湾は古来、中国の分割できない一部だ」など、独立志向の強い民進党と蔡氏をけん制する内容が目立つ当局が厳しくネットを管理する中国では、フェイスブック利用は制限されており、利用者は規制をかいくぐって投稿していることになる


「利用者は規制をかいくぐって投稿」だって? 笑わせてくれる記事だ。読売は本気でそう思っているのか? 
厳重な管理下に置かれFB利用が制限されている中国社会と、記事中にもあるではないか。あの国の体質からしてどう考えてもこれは中共がバックにいる「ヤラセ投稿」だろう。

よほど中共は蔡氏を、いや民進党支持の世論に恐怖しているようだ。就任前から圧力をかけ、国論を分断しようという肚か。今後もこの種のネガキャン、嫌がらせは陰に陽に増えていくだろう。
posted by 三四郎 at 20:29| 千葉 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 政治・経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年01月17日

台湾政権交代へ

台湾の総統選挙は民進党の蔡英文氏が国民党候補に圧倒的な大差で勝利した(@nifty news/時事)

>台湾総統選挙は16日、投開票され、台湾独立志向の最大野党・民進党の蔡英文主席(59)が、与党・国民党の朱立倫主席(54)、野党・親民党の宋楚瑜主席(73)の2人を破り、初当選した。女性総統は台湾史上初となる。民進党の政権奪還は8年ぶりで、馬英九政権下で緊張緩和が進んだ中台関係に変化が生じるとみられる。蔡氏は5月20日に新総統に就任する
>中央選挙委員会によると、各候補の得票率は、蔡氏が56.12%、朱氏が31.04%、宋氏が12.84%。副総統には蔡氏とペアを組んだ中央研究院前副院長の陳建仁氏(64)が選出された。投票率は過去最低の66.27%だった
>蔡氏は「3度目の政権交代を果たした」と勝利を宣言。朱氏は「失望させて申し訳ない」と敗北を認め、党主席を辞任する考えを表明した。毛治国行政院長(首相)も辞任の意向を明らかにし、内閣は総辞職する見通しだ
>同時実施の立法院(国会、定数113)選も民進党が現有の40議席から68議席に躍進し、初めて過半数(57議席)を確保した。蔡氏は安定的な政権基盤を築くことができる国民党は64議席から35議席に激減。新政党「時代力量」は5議席を獲得した
>蔡氏は2008年に発足した馬政権での経済情勢悪化や親中路線を批判し、有権者の不満を取り込んで選挙戦を終始リードした。最大争点の対中政策では「現状維持」を掲げ、民進党政権発足で中台関係が悪化するとの懸念の解消に努めた
>一方、朱氏は馬政権に対する逆風に加え、国民党の混乱で出馬表明が昨年10月と出遅れ、厳しい戦いを強いられた。馬政権の対中融和路線を引き継ぎ、蔡氏が当選すれば「中台関係が不安定になる」と危機感をあおったが、及ばなかった
>馬総統は昨年11月に中国の習近平国家主席と分断後初の首脳会談を行い、「一つの中国」原則に基づく「92年合意」を改めて確認した。民進党は合意を認めておらず、蔡氏は当選後の記者会見で、対中関係について「挑発せず、予想外のことをせず、対等な交流の道を探る」とする基本的な立場を示した


中台融和を掲げた馬政権の総括的な意味があると思えば、台湾国民は明確にこれを否定したと言っていいだろう。

台湾国民の間には中共への警戒感、不信感が根強く、「融和」でもたらされた「経済的メリット」もこれを拭い去るには十分でなかったというところか。

もともと台湾の「親中路線」を確立しこれを維持強化してコントロールするという思惑から発したものであろう。台湾企業を利用するだけしておき、国民に広くメリットをもたらすことなど歯牙にもかけていないということを有権者はしっかり感じ取っていたに違いない。

それよりも台湾国民にとっては、覇権主義丸出しの中共に過度に経済依存することへの不安と警戒が強かったのだと思う。

今後中共による様々な圧力、要求が強まり、一時的に台湾経済にブレーキがかかったとしても、中共というぬかるみに足を取られて末は現状維持さえ危うくなるのでは、という危機感が台湾国民を突き動かしたという側面があるのではないか。

日本の友邦である台湾に中共と一線を画する政権が誕生したことは大きな意義がある。日台の関係が様々なレベルで強化されることを切に願うばかりだ。
posted by 三四郎 at 13:20| 千葉 ☀| Comment(2) | TrackBack(0) | 政治・経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年01月16日

繰り返される悲劇

長野県軽井沢町で昨日未明に発生したスキーツァーバスの事故は、大学生14人が死亡するという大惨事となった。本格的な事故調査・検証はこれからだが、運行予定ルート外を走行、運転手はツアーバスを始めて運転、健康診断も受診していない、等々、杜撰な業務管理の様子が明らかになっている(読売電子版)

>長野県軽井沢町軽井沢の国道18号碓氷バイパスで15日未明、スキー客を乗せたツアーバス(乗客・乗員41人)が、道路脇の崖下に転落、14人が死亡した事故で、バスの運行会社「イーエスピー」(東京都羽村市)が、バスが目的地へ到着し、業務を終えたように装った書類を作成するなど、不適切なバスの運行管理をしていたことが、国土交通省の特別監査で明らかになった
>道路運送法に違反する可能性があり、同省は16日以降も特別監査を続ける。県警も15日、自動車運転死傷行為処罰法違反(過失運転致死傷)容疑で、同社を捜索した
>国交省は15日夜、この日の特別監査の結果を説明した。バスが目的地へ到着し、業務が終了した後に作成する「点呼簿」について、バスの運転手から目的地到着の電話連絡を受け、同社の運行管理者が押印すべきなのに、事故を起こしたバスの点呼簿には、すでに押印があったという(以下略)


このツアーはいわゆる格安ツァーで、それだけに学生の利用者が多かったようだ。過当競争により費用削減が至上命題となった可能性は高いが、そのために管理を手抜きしルールを逸脱させていたとすれば言語道断である。

この事故により事業者資格のない会社が淘汰されるのは当然ながら、何の落ち度もない若者が犠牲になるとは何とも理不尽でやり切れない。

バスツァーはその低料が受けて根強い人気がある一方、この種の無理無謀な運行による大事故が後を絶たない。事業構造に根本的な問題があるように思う。自由競争を否定はしないが、こうした理不尽さが根絶されるよう、行政の指導力を望む。

うちの次男が卒業旅行で来月この会社のスキーツァーに参加する予定だったらしい。タイミングが悪ければ被害者になっていたかもしれない。今回の事故で、次男同様この春就職を控えた学生も犠牲になったという。残された親御さんには同じ親として心からお悔やみ申し上げたい。
posted by 三四郎 at 08:51| 千葉 ☀| Comment(2) | TrackBack(5) | 社会・教育 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年01月11日

最たる野合

日本共産党の提唱する「国民連合政府」。反安全保障法の一点のもとに結集しようという、無茶苦茶な構想だが、さすがに民主党は慎重な姿勢のようだ(読売電子版)

共産党の志位委員長は10日、安全保障関連法の廃止を目的とする連立政権「国民連合政府」について、「民主党とはまだ一致が得られていない。難しい面もあるかもしれない」と述べ、現時点での実現は困難との認識を示した
>東京都内で記者団に語った
>共産党は国民連合政府への参加を条件に夏の参院選で選挙協力に応じる考えを表明しているが、民主党は「(反安保関連法の)一点だけで一致しているからといって政府を作るのは違う」(岡田代表)と参加を否定する一方、共産党に候補予定者の取り下げを求めている。志位氏は「(参院選の)選挙共闘には、政党と政党で真剣な話し合いをして、しっかりとした合意を作ることが必要だ」と語った


まあ常識的に考えて、たった一つの法案を廃案に追い込むために、ビジョンも異なり政策の摺り合わせもない政党同士がくっつくなど最たる野合でしかない。安保法を廃案にしたらあとは対立と停滞では国民が納得しない。まさに亡国の発想だ。

極左政党がさすがにこの時代、実力テロは使えず、さりとて政策も良識の国民に受け入れられないと自覚しての窮余の一策だろうが浅慮というしかない。政権批判する前に自らが忌避される理由を顧みてはどうか。まあそれができれば共産党ではないか。
posted by 三四郎 at 19:00| 千葉 ☁| Comment(2) | TrackBack(0) | 政治・経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年01月10日

新聞に軽減税率は無用

消費税の再増税にあたって食料品など生活必需品への軽減税率導入がほぼ決まっている。しかし驚くべきことに新聞もこの適用範囲に入るらしいのだ(@niftyニュース/NEWSポストセブン)

>2017年4月に消費税が10%へと引き上げられる際、「新聞」にかけられる税率が8%に据え置かれる方針が決まった。これを受けて新聞社の業界団体である日本新聞協会は、白石興二郎・会長(読売新聞グループ本社社長)の談話を発表した
>〈新聞は報道・言論によって民主主義を支えるとともに、国民に知識、教養を広く伝える役割を果たしている。与党合意は、公共財としての新聞の役割を認めたものであり、評価したいこの措置に応え、民主主義、文化の発展のために今後も責務を果たしていく〉(昨年12月16日付。一部抜粋)
>民主主義と文化の発展は、実に喜ばしい話である。だが、この決定が意味するのはその真逆ではないか
>軽減対象となったことに狂喜乱舞する日本の新聞は、ジャーナリズムと活字文化の担い手であることを自ら放棄したに等しい。新聞は徴税者がちらつかせた果実に自ら飛びついたのだ──
>昨年12月16日に決定された与党税制改正大綱に、〈定期購読契約が締結された週2回以上発行される新聞〉への軽減税率の適用が盛り込まれた
>分かりにくい定義だが、「宅配される新聞の税率は低くて済むが、駅やコンビニでの販売分(即売分)は同じ商品でも10%課税となる」という意味だ
>何とも不思議な文言となった背景を大手紙政治部記者が解説する
>「要は、何とかして新聞社の中心的利益だけを守るための妥協案です。朝日系列の日刊スポーツや毎日系列のスポーツニッポンなどのスポーツ紙は、売り上げの30%以上を即売が占めているので増税による打撃は避けられない
>また、将来的に拡大させていくことが必須の電子版(インターネット版)も適用から外れた。身内を切り捨てておいて、『評価する』というのは理解しがたい。“即売や電子版は活字文化ではない”と言っているようにも聞こえる
>軽減税率論議を巡っては、これまで新聞業界が軽減税率適用を求めてなりふり構わず政界に要請をかけてきた経緯がある
>「大手紙の幹部たちは昨年夏から秋にかけて、会合に官邸幹部らを招き、『(軽減税率導入に消極的な)財務省と新聞業界のどちらを選ぶのか』と極めて直接的なはたらきかけをしていたとの情報があります
>また、財務省が軽減税率の代替案として低所得者に還付する案を検討していることが明らかになった時は、読売を中心に紙面で猛批判キャンペーンを展開した。自分たちを対象にしてもらわないと困るという意図を隠そうともしなかった」(同前)
>そうした動きの末に、駅売りや電子版を切り捨ててまで「8%維持」を獲得した大新聞は、その「特別で独占的な恩恵」と引き換えに、政治を正面切って批判できなくなるのではないかと心配になる


まず思うのは、新聞は公共財なのかという疑問である。

公共財というからには、万人とは言わずとも多くの人にとって「なくてはならないもの」であり、その意味において普遍的な価値を有するものでなければなるまい。

しかるに現実はどうか。

成程ネットは愚かTVやラジオさえなかった時代には、一般大衆の情報源として欠かすことのできない媒体であったに違いない。TVやラジオが普及しても、その記録性において優れたメディアとして相応の価値を有し続けてきたことは認めよう。

しかし今日、インターネットが普及し誰でも通信社の情報はもちろん、政府や企業などの組織が発信する情報にアクセスできる。そればかりか自ら取材し、或は考察して情報の発信者となることも容易だ。しかも電子情報は記録性や取り扱いの柔軟さにおいて新聞をはるかに凌駕している。

このような時代にあってなお、新聞が情報源として必須の媒体と言えるのか。民主主義・文化の担い手という性格も新聞の独占権ではない。もとよりTV、雑誌、書籍もある。加えてネットがある。この点でも新聞が特別扱いされねばならない理由はない。

そしてもっとも疑問に思うのが、中立性、公平性に欠けた報道姿勢である。自ら信奉する主義主張のもとに書きたいこと、伝えたいことだけを恣意的に選別して伝えることのどこに「必須の情報源」としての価値があろうか。その論調に賛同する者にしか価値がないものを公共財とは呼べない。これは右も左もない。

加えて引用記事にも示されているその矛盾に満ちた姿勢である。定期購読を守るために電子版や即売分には目をつぶるなど、情報入手方法が多様化する今日にあってもはや奇怪至極としか言いようのない姿勢である。

そもそも政界工作を行い政権と妥協しながらどうして報道の信念、良心を貫けるのか。考えるほどに自己矛盾であると言うしかなく、いかに日本のメディアが堕落しているかを示している。これもまた「語るに落ちた」というべきか。
posted by 三四郎 at 18:45| 千葉 ☀| Comment(2) | TrackBack(0) | 政治・経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする