2016年01月02日

中国インフラの落し穴

昨年は日本が本格的にインフラ輸出に注力したものの、中国側のダンピングの域を超えた攻勢により受注をさらわれる案件が目立った。一時は今後の日本の方向性にも影響が出かねないと危惧したが、導入国にとってはやはり「安物買いの銭失い」になりそうである(読売電子版)。

中国企業が受注した東南アジアの大型インフラ(社会基盤)案件で、工事の延期やトラブルが後を絶たない
インドネシアの高速鉄道計画は着工が遅れ、「2019年開業」が早くも危ぶまれる状況だ。事業費が当初予定から大幅にふくらむケースが多く、現地政府が振り回されるケースも少なくない
>インドネシアのジャカルタとバンドンを結ぶ約140キロの高速鉄道計画では、日本と中国が激しい受注競争を繰り広げた。結局、中国が昨年9月、インドネシア政府の負担をゼロにするという「常識では考えられない」(日本政府高官)案を示し、採用された。中国の計画は「18年完工、19年開業」を目指している。19年にインドネシア大統領選が予定され、現政権の成果にできることも採用の決め手となった

>インドネシアは、石炭火力発電所を約30か所建設する計画を06年に始めたが、大半を受注した中国企業の工事が遅れ、完工が09年末から16年末に延期された。完成した発電所でも、ボイラーなどが中国基準で、部品を交換できないなどの問題が起きているという
フィリピンでは、首都マニラと北部クラークを結ぶ約100キロの鉄道計画が04年に中国の援助で始まったが、比最高裁は10年に入札を経ていない契約を無効と判断し、全面凍結された。比政府は融資返済で中国側と争っている。38キロの区間は、日本が政府開発援助(ODA)を供与し、建設を進める見通しだ


インドネシアやフィリピンには気の毒だが、中国と付き合う上での授業料と考えてもらうべきだろう。目先の費用を惜しみながら、自分の成果にはしておきたいという為政者の浅ましさを思えば、言葉はきついが「自業自得、因果応報」というやつだ。

工事の遅延は技術だけの問題ではない。資金計画や人材配置のノウハウも中国は未熟だ。そもそも未だ自国内のインフラ整備さえ覚つかず、使いもしない橋や道路やビルばかり建てて「鬼城」を作るしか能のない中国企業が、ただただ金を求めて国外に打って出たのが「中華インフラ」であるというのが俺の認識だ。

それは去年相次いだ工場・倉庫の大規模爆発や地滑りと見まがう建設残土の山崩壊事故を見れば十分だ。あの国の事業者の頭の中にあるのは「金」のみであり、物理的な安全も心理的な安心も眼中には無い。だからそれが技術の根幹、肝であることにも思い至らない。

日本は高コストと言われるが、「安全・安心」に十分なコストをかけているということ、それこそが日本ブランドの価値であることを、相手国に訴求していけば日本に勝機は十分ある。

すぐに壊れるモノでもまず早く整備できればいい、カネはないから安ければ安いほどいいという顧客は敬して遠ざけるべきだろう。それなりの経済力があり将来性が見込めるような顧客なら、事故発生時の損害や先々の維持コストを想定し正常な判断ができるはずである。

日本の王道は「安全安心・高品質・高付加価値」であることにもっと自信を持つべきだろう。
posted by 三四郎 at 13:26| 千葉 ☁| Comment(2) | TrackBack(0) | 政治・経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする