2016年01月31日

最低限の仕事

難民受け入れに積極的だったドイツのメルケル首相に対し、ドイツ国民は厳しい評価を下している。独誌の最近の世論調査によれば、メルケル氏は首相を辞任すべきと考えている国民が4割にもなるという(読売電子版)

中東などから大量の難民らが欧州に流入している問題への対処を巡り、ドイツ国民の約4割が、メルケル首相は辞任すべきだと考えていることが29日、独誌フォークス(電子版)が公表した世論調査の結果で判明した
>世論調査は、同誌の委託を受けた調査機関が1月22〜25日に実施。39・9%がメルケル首相に辞任を求めたのに対し、辞任する必要はないと回答したのは45・2%だった
>昨年9月、メルケル首相が難民を歓迎する意向を表明した際には幅広い支持を集めたが、過度な流入に歯止めをかける効果的な政策を打ち出せず、政権内部でも孤立が深まっている


政権や政党の支持率ではない、一国の現役の首相が国民の4割から辞任を迫られているのだ。これは尋常ではない。

「ナチスの記憶」だか知らぬが、安直な理想主義のもと難民受け入れ路線をひた走ってきたドイツだが、昨年大晦日の難民による常軌を逸した集団女性暴行事件を経て現実の厳しさに直面し、さすがに脳内花畑の花も萎れてきたのだろう。

難民受け入れも結構。東洋にも「窮鳥懐に入れば猟師も殺さず」という諺があり、庇護を求めてきた人々を一時的に保護する人道精神は否定しない。

しかし数百万人規模となれば話は異なる。国の中に別の国、自治区ができてしまうレベルだ。文化や考え方が異なる人々をコミュニティに共存させるだけでも至難だ。彼らを自活の道に導くことはさらに困難だ。

困難のうちに難民の不満が鬱積し、いつしか受入国を逆恨みするようになる。受入国の国民はそんな難民たちを嫌悪することは必定だ。どんな理想主義国家でもそれは止められない。

そして何より当面の治安の維持さえ格段に難しくなることは先の事件に限らず、多くの前例が示唆している。ドイツはそのような事態を予見し周到な準備の下に受け入れてきたとは思えない。

その結果が大晦日の暴行事件である。

ドイツに限ったことではない。スイスやスウェーデンなどでも難民たちが引き起こす事件は枚挙にいとまがない。彼らから自国民を守れない指導者は、最低限の仕事もできていないことになる。退場せよと罵倒されても仕方あるまい。

そもそも難民受け入れは、近隣国による緊急避難的な規模の措置に留め、分散して隔離することを基本とすべきだろう。これは差別や虐待ではない。受け入れ国民との軋轢を最小限にし、平和的な共存を維持するために必要な管理である。

その上で、以前の記事でも書いたことだが、難民対策の根本は難民を発生させないこと、紛争国の情勢を安定化させて、彼らが母国で普通の暮らしができるようにしていくこと以外にない。それは中東を攪乱させてきた欧米諸国家の責務でもあることを付言したい。
posted by 三四郎 at 18:47| 千葉 ☀| Comment(2) | TrackBack(0) | 政治・経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする