2016年03月12日

国連に感じる悪意

「従軍慰安婦問題」は日韓間では「最終的・不可逆的」に解決したはずである。この当事国間の外交的かつ平和的な合意を国連が蒸し返すという不可解な事態が起きている(以下、読売電子版その1その2その3)。

菅官房長官は11日の記者会見で、国連のザイド・フセイン人権高等弁務官が慰安婦問題を巡る日韓合意に疑問を呈したことについて、「国際社会の受け止め方と大きくかけ離れている。極めて遺憾だ」と述べ、強い不快感を示した
フセイン氏に外交ルートで抗議することも明らかにした。フセイン氏は10日、国連人権理事会の演説で、日韓合意について「元慰安婦自身からも疑問が投げかけられたのは重大」などと述べた

>国連人権理事会で10日、フセイン人権高等弁務官が年次報告の演説で慰安婦について「日本軍による性奴隷制度を生き延びた人々」と表現したことに対し、在ジュネーブ日本政府代表部の嘉治美佐子大使は「性奴隷制度という言葉は事実に反する」と直後の発言機会で反論した
>フセイン氏は、昨年末の日韓合意についても「元慰安婦から疑問が投げかけられている」と批判した。これに対し、嘉治大使は「合意は、最終的かつ不可逆的に解決するという意味だ」と反論した。韓国代表も「元慰安婦の名誉を回復するためのもの」と述べた
>この日の理事会では、中国が「日本はアジア諸国で10万人の慰安婦を集めた」と発言したが、嘉治大使はこの点についても「中国側が示した数字は正しくない」と反論した

国連の潘基文事務総長は11日、国連本部で韓国人元従軍慰安婦の吉元玉さんと面会した
>面会は、慰安婦問題の解決を巡る昨年末の日韓合意に反対している元慰安婦の支援団体「韓国挺身隊問題対策協議会」(挺対協)の要請で行われ、尹美香代表が同席した。潘氏が事務総長として元慰安婦に面会するのは初めて
>面会は冒頭の一部以外は非公開で行われた。挺対協や吉さんは、日韓合意を歓迎する考えを示してきた潘氏に対する不満を伝えたという。潘氏は面会後、「彼女たちが経験した苦しみや痛みに同情する。日韓合意が人権の原則に沿って忠実に履行されることを希望する」との談話を発表した


フセイン氏の発言は国家間のあらゆる紛争を平和的に解決することに、その使命と存在意義を有するはずの国連高官として、異例や不可解という以上に、問題を蒸し返し再紛争を助長する以外の何物でもなく、国連が紛争の火種を投下してるという意味で厳しく非難されるべきだ。日本政府が即座に反論し外交ルートを通じて抗議するのは当然である。

また潘氏が「元慰安婦」と面会したことも面妖である。「挺対協」という極めて政治的な組織の要請に応じ、非公開の面会を行うことは公正と正義に反する行為ではないか。

これらの動きの裏には、国連事務総長を動かし国家間の合意を覆してまで日本を「道義的責任」に縛り付け、国際社会での発言力や影響力を封殺したい勢力があることを意味している。

その勢力ないしは国家といえば中国しかない。「人権理事会」でわざわざ「日本はアジア諸国で10万人の慰安婦を集めた」と、すぐに反論されるような根拠のない数字を挙げて発言したことに、中共の焦りと執念を感じる。

こうしたことに日本政府関係者が即座に反論したことは、当然とはいえ評価したい。これまで公の場で反論してこなかったことが今日の結果を招いていることを思えば、機を逃さない主張、反論こそ自国を守る武器であると、政治家、官僚は認識すべきだ。

今後は守勢に入るばかりでなく、人権抑圧大国の中国が「人権理事会」なる場所で他国を批判する茶番を覆す戦略を立て、これを実践してもらいたいものだ。
posted by 三四郎 at 12:11| 千葉 ☁| Comment(2) | TrackBack(0) | 政治・経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする