2016年05月08日

取られ損にはするな

6日の日ロ首脳会談で北方領土問題について話し合いがもたれたらしい。その中では「交通網整備や上下水道改修、日本式の病院施設建設」などのインフラ整備協力を盛り込んでいるという(読売電子版)

>安倍首相が6日の日露首脳会談で8項目の協力計画を提示したのは、ロシア側の関心が高い経済や国民生活の協力をテコに北方領土交渉を加速化する狙いがある
>日本政府は今後、経済協力と北方領土交渉を同時並行で進めたい考え
>協力計画には、従来進めてきたエネルギー分野に加え、交通網整備や上下水道改修、日本式の病院施設建設など国民生活に直結する内容が盛り込まれた。「一部の投資家だけではなく、一般のロシア国民に恩恵を実感してもらう」(首相周辺)ためだ。政府は協力計画の具体的な検討に着手し、年内を想定するプーチン氏の来日時に「成果」として打ち出す方針


ぶっちゃけ北方領土問題を根本から解決、つまり1945年8月以前の状態に戻すには、また戦争をして勝利するしかないだろう。さればとてそれは無理な話で、代わりにいくらロシアを「火事場泥棒」と正論で罵倒しても、彼らには「蛙の面に小便」でしかない。

それでは、と「経済協力」というアメの数を増やして懐柔しようとでもいうのだろうか。正直なところ俺には「いい予感」がしない。

そりゃ、交通や生活インフラを日本が整備するとなれば現住民はウェルカムだろう。行政府も日本のカネで投資するなら渡りに船ではないか。しかもこれ以外に原子力やIT技術での協力も計画されるという。

しかし「それと領土とは別」というのもまた正論である。過去の日本外交の交渉術を見ていると「良いとこ取り」されておしまいにならないか、非常に不安がある。また「協力」の双方向性はしっかり担保されるのだろうか。

当然、国民の血税が注がれるわけだが、日本は向こう10〜20年は、東北や九州の震災復興という重石を背負っている。曖昧な期待だけで取られ損になるようなことでもあれば、国民は、特に被災者は納得できないだろう。

安倍首相には任期中に、かつ「気が合う」カウンターパートナーがいるうちに何とか領土問題を解決し、平和条約を締結して地政学的安定を手中にしたいという気持ちがあるのだろう。

しかし相手は強かなロシアである。「機会」を逃さぬ果断さは必要だが同時に慎重さ周到も忘れないでもらいたいと思う。
posted by 三四郎 at 17:19| 千葉 ☁| Comment(2) | TrackBack(0) | 政治・経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする