2016年09月11日

隠蔽体質か職務怠慢か

東京豊洲市場の移転問題は莫大な費用増額のプロセスが不透明とされ小池知事が先ごろ延期を決定したばかりだが、ここにきて予想もしていなかった別種の深刻な問題が浮上している。都が公表した土壌汚染対策がそのとおりに為されていなかったというものだ(時事電子版)。

東京都の築地市場(中央区)の移転先とされながら、土壌汚染が懸念されてきた豊洲新市場(江東区)で、新たな問題が表面化した。食品を取り扱う建物の床下で汚染対策の盛り土が実施されておらず、都がこれまで議会やホームページなどで「敷地全体で実施」としてきた説明と大きく食い違う状況となっている小池百合子都知事は10日の記者会見で「間違った情報を与えることは、都政の信頼回復に逆行する。全都庁の職員を粛正したい」と強い口調で述べた
>なぜ、食い違いが生まれたのか。都の市場担当幹部によると、盛り土などの汚染対策は、2008年に専門家会議が実施を提言。しかし、この際は建物の地下に配管などを入れる空間を設置することは検討されなかった。その後、建物設計時に地下空間を設けることが決まり、その部分には盛り土は行わないことになったが、対外的な説明は以前と同じまま放置された
>こうした状況は、外部からの指摘を受け今月初めに判明した。幹部は「分かっていたら説明を変更していた」と弁明。地下部分はコンクリートの壁や床で囲まれているため安全性には影響ないとしつつ「専門家会議に説明していなかったのは問題だった」と話した
>小池知事は、外部識者による調査を行う方針だが、「あくまでも当局が責任を持ってこの問題をクリア(解決)しないと、また同じようなことが起こる」と職員にくぎを刺した


土壌汚染対策はこの移転計画において、技術的にも政策的にも最も重要なポイントの一つではないか。提言時の計画が変わり、パイプスペースを確保することで予定していたとおりの対策が取れなくなったのであれば、技術的な代案を策定しなければならず、その意味でも公表は必須のはずだ。

関係幹部の「分かっていたら説明を変更していた」とは非常に無責任な発言である。計画の最重要課題の一つである土壌汚染対策への影響をまともに把握、理解していなかったというに等しい。気づかなかったことが露見すれば当然厳しい責任問題になるだろう。それを見越しての隠蔽か、はたまたそれを含めての職務怠慢か。

小池知事にしてみれば就任早々のいきなりの重い課題にあったが、ある意味では移転延期に正当性が付与されるとともに、都庁改革や利権構造へのメスを入れるまたとない追い風になるやもしれぬ。

小池知事の今後の采配を見守りたい。
posted by 三四郎 at 17:00| 千葉 ☁| Comment(3) | TrackBack(0) | 社会・教育 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする