2016年12月29日

戦争をしないためにこそ

安倍首相の真珠湾慰霊訪問は、内外各層から概ね好感をもって受け入れられているようだ。数あるニュースの中で、旧軍兵士の感慨を時事がつたえているものがあるが、その受け止め方はさまざまである(@niftyニュース/時事)

>空母「瑞鶴」に乗艦し、真珠湾攻撃に参加した楠木優さん(94)は、広島県府中町の自宅で安倍晋三首相が演説するテレビ中継を見守った。ハンカチを握りしめ、真剣な表情。最後までじっと聞き、「やはりあの戦争はすべきでなかった」とつぶやいた
>演説で、真珠湾で戦死した戦闘機パイロットのために米兵が碑を建ててくれたと知り、感謝の思いが込み上げたという楠木さん。和解を訴える内容にうなずき、「許し、許し合うことは大切だ。訪問で過去の清算が進むならいいこと」と語った
>瑞鶴の元整備兵川上秀一さん(98)=岡山県笠岡市=は、首相が米国の退役軍人と言葉を交わす姿に「きのうの敵はきょうの友だとはっきり感じた」と感慨深げ。否定的な意見もある中での訪問を評価し、「両国の関係がより堅固になり、次世代まで永遠に平和であるよう願っている」とかみしめるように語った
>戦闘機の元パイロット笠井智一さん(90)=兵庫県伊丹市=も「米国と一緒に慰霊したことに意味がある。歴史に残る平和への大きな一歩だ」と喜んだ。「戦争は人の殺し合い。平和以外に幸福はない」と強調し、「きょうはそれを考える日にすべきだ」と話した
>一方、空母「飛龍」の整備兵だった滝本邦慶さん(95)=大阪市東淀川区=は、不戦を誓う首相の演説に「うそをつくな」と厳しい口調。安全保障関連法成立や憲法改正への動きを指摘し、「実際には戦争できる準備を急いでいる」と批判し、「それを見せないきれいな言葉にだまされてはいけない。勝っても負けても泣くのは国民。二度と戦争をしてはいけない」と訴えた


前3人の意見、思いは概ね首肯しうるし共有できるものだ。かつて直接戦った敵国同士の首脳が揃って慰霊を行うことは、和解の象徴としてこれ以上のものはない。一つの大きな区切りであることは確かだし、この日を平和の意味や価値を考える日にすべきという言葉には同感である。

しかし4人目の元兵士の意見は少し違うと思う。安倍首相の不戦の誓いに対して、「安全保障関連法成立や憲法改正への動き」をもって「嘘」と断じる見方は極めて政治的偏見に満ちたものだ。

俺などが言わずとも元兵士であれば百も承知だろうが、戦争は一国でするものではない。常にその国の平和や存立を脅かす外部要因があってこそ勃発するのである。

そして今日、それは軍拡路線をひた走る中国や北朝鮮でありいずれも日本のすぐそばにあって、日本への敵意を陰に陽にちらつかせている。これに備えるは一国の指導者として誰がなっても当然の責務であろう。批判の矛先は安倍首相ではなく、中国・北朝鮮あるいは世界中に憎悪と不信の種を撒き散らしているIS等テロリストの指導者に向けるべきだ。

そもそも政治的、軍事的に「弱い国」ほど戦争に巻き込まれるのが歴史の現実である。戦争をしないためにこそ、法も武器も必要なのだ。その視点が無い「反戦」思想が語る言葉こそ「見せかけのきれいごと」だと俺は思う。
posted by 三四郎 at 09:13| 千葉 ☁| Comment(3) | TrackBack(0) | 政治・経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする