2011年11月04日

矜持と責任

欧州発世界経済破綻の悪夢を加速させていたギリシャのEU支援の是非を問う国民投票は、撤回に向けて舵が切られようとしているらしい(時事電子版)

>欧州連合(EU)のユーロ圏諸国が先週の首脳会議で合意した債務・金融危機対策の「包括戦略」をめぐり、賛否を問う国民投票の実施を表明していたギリシャのパパンドレウ首相は3日、投票回避に向けて最大野党との調整に入った。世界経済を混乱させた突然の提案は、ユーロ圏から一斉に批判を浴びたほか、政権内でも反対論が噴出し、一転して撤回される見通しとなった
>首相は3日の緊急閣議で、最大野党の新民主主義党が包括戦略を受け入れる意向を示したと説明。「国民投票自体は目的ではない。ユーロ圏合意をどうやって実行するかが重要だ」と述べた
>一方、ファンロンパイEU大統領は同日、「(ギリシャの)国民投票というアイデアは現実的ではなくなったようだ」との認識を示した
>これに先立つ2日、フランスのサルコジ大統領らEU首脳は同国南部のカンヌでパパンドレウ首相と緊急会合。EU側は、ギリシャが国民投票によってユーロ圏離脱に追い込まれる危険をちらつかせつつ、今月中旬にユーロ圏と国際通貨基金(IMF)が予定していた80億ユーロ(約8600億円)の融資について、同国が包括戦略を受諾するまで棚上げにすると圧力をかけた
>野党側は同戦略を支持する半面、総選挙の早期実施や首相の退陣を要求。首相は与野党合意を目指すとしつつ、早期選挙には慎重姿勢を崩しておらず、協議の行方は予断を許さない


EUによる経済支援には多くの公務員労働者の賃金カットによる緊縮財政などギリシャ国民に大きな痛みを強いる。これに「内政干渉」として拒否反応を起こすのは自然の感情だろうし、「外国」の指図は受けないという矜持も理解はできる。しかしもはや自力再生が不可能なレベルに達し、支援を拒絶してEUを離脱すれば他の債務国に連鎖し、EUばかりか世界経済に予測不可能な影響を及ぼすであろうことを思えば、ここは粛々と支援を受けるのが責任ある態度と言うべきだろう。

ことここに至った原因究明と国内議論は存分にやってもらえば良いが、火事を目の前にして、消火活動や類焼防止のための家の引き倒しを受諾するかどうか議論をする愚か者はいない。まずは延焼防止と鎮火が先である。
posted by 三四郎 at 13:56| 千葉 🌁| Comment(2) | TrackBack(0) | 政治・経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
 観光産業を除けば国内産業を殆ど持たないギリシャの最大のネガティブ要因は公務員大国の筈です。 公務員とは、社会の導通装置に過ぎない事を考えれば、賃金カットでは無く、装置の縮小、つまり解雇で応じるべきでしょう。

 賃金のカットは生産性を上げる為の手段であり、根本的な改革には絶対に繋がらないのは明白です。

 問題なのは此処に至るまで放置してきた政府と国民の労働モラルの質の低次元さではないか。

 国家が崩壊・破綻するまで放置してきたのは、一部の金持ちの言いなりに政府を動かしてきた政治家たちの責任でしょう。 こういう国家をEUに組み入れる事自体間違いであったと云うのが本音ではないか。

 それにしても欧州人の地中海に対する郷愁・憧憬と謂うか、一種の拘りは、古から地中海が彼らのユートピアであった証拠ですが、実際は此の内海沿岸の歴史は、血で血を洗う戦いの連続だったのですがね。

Posted by ナポレオン・ソロ at 2011年11月06日 08:44
ソロさん、こんにちは。

ギリシャ国民にしてみれば「悪いのは政治家」と、いろいろ言いたいこともあるでしょうが、それ自体、国民が支持していたことも確かなのですから、まずはこれ以上他に迷惑をかけないという考え方に切り替えてほしいものです。それが欧州文明の故郷としての矜持であり責任であると、日本人的には思うのですが。
Posted by 三四郎 at 2011年11月06日 12:21
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