2015年12月29日

第二幕が開く

「従軍慰安婦問題」の日韓合意は俺の中では最悪の政治判断である。これは日本が国家として踏みとどまらねばならない大原則の政治的一線を押し切られた、つまり土俵を割ったことになる。

そうである以上、ここに第三国が、とりわけ反日勢力が付け込む隙を日本は自ら与えたことになる。既に中国そして台湾もが呼応するようにして日本に「政治的譲歩」を迫っている(読売電子版)。

>中国外務省の陸慷報道局長は29日の定例記者会見で、日韓両政府が慰安婦問題で合意したことに関し、中国人の元慰安婦についても「適切な解決」を求める方針を示した
>陸局長は、「この問題は中国、韓国を含むアジアの多くの被害国民の利益、感情、尊厳に関わる問題だ」と指摘した
>中国共産党機関紙・人民日報系の環球時報も29日、中国人の元慰安婦にも韓国と同様の対応をすべきだとする弁護士らの意見を掲載した

>台湾の林永楽外交部長(外相に相当)は29日、台北市内で臨時の記者会見を開き、慰安婦問題での日韓合意を受け、台湾の元慰安婦にも同様の措置がとられるよう、日本側に協議を要求したと発表した
>台湾はかねて、「慰安婦に対する正式な謝罪と賠償」を日本に求めている
>総統府も同日の声明で、馬英九総統は同問題の解決に向けて「揺るぎない決意だ」と述べた次期総統に有力視されている野党・民進党の蔡英文主席も同日の声明で、「台湾の(元慰安婦)女性が慰めと償いを得られるようにしなければならず、(当局の要求を)全力で支持する」と述べた


さあ、どうするか。 韓国の要求は受け入れ、中台の要求は拒絶するということができるだろうか。違うというなら何がどう違うのか、日本政府として説明責任が問われる。それこそ第三国にも納得が得れらるような丁寧な説明と検証がなければ、世界は却って日本を侮り軽蔑するだろう。それはそれで多大な労力と時間が必要になる。そんなことは端から分かり切ったことであった。

いかに米国からの横槍が入ったとは言え、認めるべきでないものは認めてはならなかった。それは国家でも個人でも同じことである。米国は「脛の傷」を触られることがないと安心したのか、ダメ押しともとれる次のようなコメントを大手メディアが発信している(読売電子版)

>米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)は28日、慰安婦問題を巡る日韓合意について「安倍首相がかつて疑義を呈した(慰安婦に関する)歴史的事実を受け入れた」と指摘した
>また、慰安婦を「性奴隷」と表現し、日韓関係がこじれたのは「日本の硬直的な立場」に原因があるとした。韓国側については、「朴槿恵大統領が政治的リスクを冒して(日本に)歩み寄った」と記した
>ワシントン・ポスト(同)の社説は、合意自体について「(安倍氏と朴氏が)政治的障壁よりも国益と世界の利益を優先したもので、称賛に値する」と評価した


米国メディアはこの問題がこれ以上蒸し返された場合、一番困るのが米国自身だということを知っている。それゆえに、米国が韓国を縛る以上に日本を縛っていることが窺える記事である。日本にとりこれが外交的敗北でなくて何であろうか。

消去法でいえば安倍政権が今の日本にとり最良の政権であるとは俺も思う。しかしこれはいただけない。安倍首相は「責任は全て私がとる」といったそうだ。その言葉の行きつく先を俺はしっかり見届けたい。
posted by 三四郎 at 21:49| 千葉 ☀| Comment(6) | TrackBack(0) | 政治・経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
>三四郎さん
 台湾の国民党や共産シナの賠償要求ですが、大した話ではないと思います。

 それは、基本的に彼らが要求できる立場に無い、つまり、譬え、戦時売春制度の被害者が国内に居たとしても、彼らは当時、国民を代表する政府を掌握していたわけではないからです。 

 南京大虐殺事件を見ても、それがいえます。 事件が起こった当時のシナの責任者と言えば、共産シナではなく、後に台湾に逃げ込んだ国民党なのだから、彼らの告訴であれば、話はスムーズに動くのでしょうが、当時無関係だった共産シナでは、訴訟主体になり得ないでしょう。 然も、売春婦問題と同じく、70〜90年前の話ですから、生存している当事者が先ず極めて少数しかいないわけで、訴訟当人もいないでは、裁判にはなりません。

 訴訟で勝ち取れる話ではないのは明らかでしょう。

 亦、今回の合意ですが、「余命三年時事ブログ」の12月28日分を読むと、内容からいって、韓国は重要な対日カードを失い、意気消沈しているし、亦、慰安婦問題の中心的推進団体であり、強硬な反日集団である挺対協は、合意には完全否定の立場を取っており、合意条件である「少女慰安婦像の撤去」を拒否している状況。

 是では、合意条件の不履行から、日米に拠る制裁発動が為される可能性が高まるので、政府との対立が予想される。

 もし、韓国が経済・軍事・政治の面で、現在の様な息も絶え絶えの状態で無ければ、三四郎さんの懸念通り、いろいろ心配せねばならないし、米国の態度も違ったものになるでしょうが、韓国は既に「死に馬」に等しい。 米国にとって、日韓離間が国益に沿わないから米国が動いて、無理に問題決着をつけさせたと看るべき。

 日本にとっては、正直このままの状態を継続しても痛くもかゆくもなかったワケで、裏で、積極的な米国の音頭取りがあったのは、洋公主問題を暴露されては困る、米国の在郷軍人会辺りの圧力があったのは、ほぼ確実だと思います。

 唯、この合意が寧ろ、日本有利になったのは良しとしても、米国内で、日系移民と、中韓移民の対立現象が起こって居るのは、日米政府がナンとかしなくてはならない課題でしょうね。 

Posted by ナポレオン・ソロ at 2015年12月30日 16:53
ソロさん、こんばんは。

まあ、今回は米国の存在があるから韓国にも相当「利く」思いますが、中共の件と言いこれまでがこれまでなので容易に安心できないのが本音です。

特に韓国は「挺対協」など「民間組織」、ましてや在米韓国系住民の運動を野放しにしていくのではないかと思っています。もうそれしか日本を貶める方法がありませんから。

また「徴用工」などにも同様の論理展開をしていくであろうと想像すると、またぞろ対抗措置を取らねばならなくなると何とも重苦しい気分になります。

まずは安倍政権の第二幕での振舞を注視したいものですが。
Posted by 三四郎 at 2015年12月30日 18:41
>>韓国は「挺対協」など「民間組織」、ましてや在米韓国系住民の運動を野放しにしていくのではないか
否、米国内で何故是までこういう反日活動が黙認・放置されて来たのかと言えば、米国での韓国と日本の立場が、イーブンに近かったからでしょう。

 しかし、今回の合意の結果、韓国は「一切の反日運動を封じられた」形になって居ます、是は、米韓同盟の後退に拠る、韓国評価の矮小化を意味します。

 当然、米国においても、中韓系移民からの日系移民攻撃現象に公的擁護が発動し始めるものと思います。

 そして、挺対協自体が、親朝鮮組織である事が、国内外で認識された上、合意形成で生じた、反日表現を煽る形象物の禁止=少女慰安婦像の撤去/移転を履行しなければ、政府に拠る強制力発動もありうる事態になって居るようです。

 寧ろ、外交的には大勝利に近いのではないか? と私は思い始めています。

 共産シナとの対立は、他にも案件を抱えているのですから、さほど気にする話でもありません。
Posted by ナポレオン・ソロ at 2015年12月30日 21:57
ソロさん、こんばんは。

>当然、米国においても、中韓系移民からの日系移民攻撃現象に公的擁護が発動し始めるものと思います

それが実現するのであれば、確かに実を得たことになるでしょう。そこから米国内各所に設置された醜悪な像が撤去されるに至ることが「勝利の証」だと思います。
Posted by 三四郎 at 2015年12月30日 22:34
私もソロさんの意見に納得します。当初12/28時点では「何たる外交敗北か!」と焦りましたが3日間各種報道やブログ記事を読んでいるうちに気分が落ち着き、対韓国問題には日本は失うものはない、あとは韓国の問題で韓国こそが二進も三進もいかない状態と理解しました。

ご指摘の台湾等の問題は懸念ではありますが、ここは外務省に仕事をして貰いたいです。日下公人氏などは外務省を廃止して内閣府にいれてしまえとこき下ろしています。
欧米系のマスコミは「性奴隷」を認めたような報道をしたようですが、ここも外務省がキチンとして貰いたいです。しかし白人国家は日本を悪しき国にしたがるのは私から見ればビョーキです。
Posted by 相模 at 2015年12月31日 07:46
相模さん、おはようございます。

>あとは韓国の問題で韓国こそが二進も三進もいかない状態

私も客観的にはそのとおりと認識しています。

しかしあの国の政権というのは常に国民感情で動きます。今回も「慰安婦像の撤去に向け努力するが完全に撤去するとは言ってない」云々と、既にしてグダグダになりかけています。

そのときこれまでの日本なら、「また始まった」と思いつつ「仕方ないな」で甘やかしてきたと思います。

今度は米国の睨みもありますからかなり状況は違うと思いますが、日本国内の野党や公明党は言うに及ばず、保守政党にも親韓・媚韓議員が多く存在しますし、経済界にも韓国利権につながる勢力は侮れないものがあります。

そこでしっかりと「合意の履行」を「日本の論理」で主張することができるか、私はそこに大きな不安を感じている次第です。
Posted by 三四郎 at 2015年12月31日 11:18
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