2016年01月17日

台湾政権交代へ

台湾の総統選挙は民進党の蔡英文氏が国民党候補に圧倒的な大差で勝利した(@nifty news/時事)

>台湾総統選挙は16日、投開票され、台湾独立志向の最大野党・民進党の蔡英文主席(59)が、与党・国民党の朱立倫主席(54)、野党・親民党の宋楚瑜主席(73)の2人を破り、初当選した。女性総統は台湾史上初となる。民進党の政権奪還は8年ぶりで、馬英九政権下で緊張緩和が進んだ中台関係に変化が生じるとみられる。蔡氏は5月20日に新総統に就任する
>中央選挙委員会によると、各候補の得票率は、蔡氏が56.12%、朱氏が31.04%、宋氏が12.84%。副総統には蔡氏とペアを組んだ中央研究院前副院長の陳建仁氏(64)が選出された。投票率は過去最低の66.27%だった
>蔡氏は「3度目の政権交代を果たした」と勝利を宣言。朱氏は「失望させて申し訳ない」と敗北を認め、党主席を辞任する考えを表明した。毛治国行政院長(首相)も辞任の意向を明らかにし、内閣は総辞職する見通しだ
>同時実施の立法院(国会、定数113)選も民進党が現有の40議席から68議席に躍進し、初めて過半数(57議席)を確保した。蔡氏は安定的な政権基盤を築くことができる国民党は64議席から35議席に激減。新政党「時代力量」は5議席を獲得した
>蔡氏は2008年に発足した馬政権での経済情勢悪化や親中路線を批判し、有権者の不満を取り込んで選挙戦を終始リードした。最大争点の対中政策では「現状維持」を掲げ、民進党政権発足で中台関係が悪化するとの懸念の解消に努めた
>一方、朱氏は馬政権に対する逆風に加え、国民党の混乱で出馬表明が昨年10月と出遅れ、厳しい戦いを強いられた。馬政権の対中融和路線を引き継ぎ、蔡氏が当選すれば「中台関係が不安定になる」と危機感をあおったが、及ばなかった
>馬総統は昨年11月に中国の習近平国家主席と分断後初の首脳会談を行い、「一つの中国」原則に基づく「92年合意」を改めて確認した。民進党は合意を認めておらず、蔡氏は当選後の記者会見で、対中関係について「挑発せず、予想外のことをせず、対等な交流の道を探る」とする基本的な立場を示した


中台融和を掲げた馬政権の総括的な意味があると思えば、台湾国民は明確にこれを否定したと言っていいだろう。

台湾国民の間には中共への警戒感、不信感が根強く、「融和」でもたらされた「経済的メリット」もこれを拭い去るには十分でなかったというところか。

もともと台湾の「親中路線」を確立しこれを維持強化してコントロールするという思惑から発したものであろう。台湾企業を利用するだけしておき、国民に広くメリットをもたらすことなど歯牙にもかけていないということを有権者はしっかり感じ取っていたに違いない。

それよりも台湾国民にとっては、覇権主義丸出しの中共に過度に経済依存することへの不安と警戒が強かったのだと思う。

今後中共による様々な圧力、要求が強まり、一時的に台湾経済にブレーキがかかったとしても、中共というぬかるみに足を取られて末は現状維持さえ危うくなるのでは、という危機感が台湾国民を突き動かしたという側面があるのではないか。

日本の友邦である台湾に中共と一線を画する政権が誕生したことは大きな意義がある。日台の関係が様々なレベルで強化されることを切に願うばかりだ。
posted by 三四郎 at 13:20| 千葉 ☀| Comment(2) | TrackBack(0) | 政治・経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
今回の選挙結果は、台湾の現状、米国の思惑、日本の立場を全て満たすに妥当なものであった。 

 元来、米国保守層は、民主党、共和党に限らず国民党支持なのは、戦前からの常識である。 是は台湾が戦前、日本の領土であり、住んでいる住民も30年の内戦で、双方に3万人の犠牲者を出す戦いを経て、日本国民に「自力」でなったと言う、曰く付きの経緯があるから、其の親日は、寧ろ当然の感情として台湾人に沁みついていたのである。 

 それに対し、国民党は、唯の敗残兵、然も、国民に一番恐れられた、国民に銃口を平気で向けて憚りないゴロツキ軍隊として名高かった蒋介石率いる反日集団でもあった。

 彼らは「赤狩り」と称して、日本統治時代の親日層でもあったインテリ層を騙して集め、2万人以上を惨殺した。 所謂、2・28事件である。 これ等の手法は、韓国最終等の4・3事件と中身は変わらない。 因みに済州島では、8万人が処刑され、25万人が日本に逃げ出した。

 共通しているのは、真犯人が米国である事である。

 米国は加えて、朝鮮半島では、更なる虐殺事件、然も、100万人を超す虐殺事件を隠ぺいしている可能性がある位である。

 一体何が言いたいのかと言えば、極東の戦後は、こうした、「大日本帝国時代の本土以外の国民」の正統な庇護者がいない状況から出発したと言う真の史実を、我々は、戦後70年も経って、やっと、確認できる段階に辿り着いたと言う事である。

 米ソ冷戦の前線に立たされた朝鮮の両国は、兎も角、その間の、台湾は、国としての独立した権利すら認められず、国民党の思うが儘の独裁政治の下に置かれて来たのである。

 此処に風穴を開けたのが、内省人で初めて国民党総統の地位に上った、李登輝氏であろう。 彼の登場を米国が容認した事自体、米国の大きな変化の始まりであったと私は思う。 然し、物事はそう直線的には進まない。

 民進党と言う、国民党の対抗政党として組織されたのは良かったし、選挙にも勝ったのは素晴らしかったが、陳水扁は、シナ仁の因習の軛から抜け出せていなかった。 民進党の泥臭さと対照的に、馬英九と言う米国生まれの米国育ちの容姿端麗なエリート然とした男が、国民党総統に選出される事になったが、その実、彼の家の出自は、蒋介石と同じ、彼の温州市であり、強硬な反日と親ユダヤで知られる温州商人であった。

 温州商人は、開放政策下の共産シナにあっても、已然として、其の広い商圏、潤沢な資金で、自由主義圏の企業顔負けの実力を有していたのである。 是が飛び切りの反日と来ているから、日本が幾ら共産シナに恩を売っても、無駄であった。

 今回の選挙の結果は、馬の失脚が示した通り、国民党が米国の支持を失ったとみるべきであろう。 それが証拠に、得票第三位の宋氏の実家は、蒋介石の夫人であった宋美齢の実家でもある。 つまり、台湾は、宋家の桎梏からも解放されたとみるべきなのです。

 然し、その現状は逆に言えば、譬え自然な流れとはいえ、共産シナをより多く敵に回したと言う事も言えるのだから、日本と米国は、この事情を踏まえ、倍旧して台湾支援に心がけるべきだろう。
Posted by ナポレオン・ソロ at 2016年01月19日 20:03
ソロさん、こんにちは。

>共産シナをより多く敵に回したと言う事も言えるのだから、日本と米国は、この事情を踏まえ、倍旧して台湾支援に心がけるべき

全く同感です。

既に就任前というのに中共発と見られるSNS上の嫌がらせが蔡英文氏に向けられているようです。陰に陽に、公に私に、中共の圧力は増してくるでしょう。日米は数少ない東アジアのまともな民主国家を守る気があるのなら、いかなる形の支援も惜しむべきではありません。
Posted by 三四郎 at 2016年01月23日 17:07
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