2016年09月03日

忘れてならないこと

今上天皇陛下の生前退位について、今年に入り俄かに朝野の議論が喧しくなってきた。NHKの世論調査だと8割超の人が生前退位賛成で、反対はわずか5%程度らしい。

この種の調査は調査主体によってバイアスがかかるのが普通だと思っているから鵜呑みにはできない。しかし仮に賛成派が半分としても4割超の人は賛成で、反対派が倍としてもせいぜい10%程度しかいないことになる。

こうした背景を受けてか、与党内でも生前退位ありきの議論が進行している風だ(@niftyニュース/読売電子版)。

自民党の二階幹事長は2日、TBSの番組収録で、天皇陛下が「生前退位」の意向を示唆されていることについて、「陛下が内面まで吐露しておっしゃったわけで、『慎重審議だ』みたいなことを言って棚上げしておくことは許されない」と述べ、政府として対応を急ぐべきだとの考えを示した
>公明党の漆原良夫中央幹事会長も「政府で案を出していただき、粛々と早く結論を出すことが大事だ」と同調した


俺も今上陛下の談話をTVで拝見した。確かにご自身の健康不安や国事行為への影響を慮るお言葉であり、生前退位を望まれていると忖度できる内容だと思う。

しかしこれは陛下御自身の問題にとどまらず日本の国の象徴に関わる問題だけに拙速に事を運ぶことは許されない。今上陛下御自身の健康不安があるなら、その軽重を問わず摂政を置けばよかろう。まずは現行制度において最大限可能な対応をすべきである。

その間に恒久的な制度改正に向けた議論を活発化させればよい。陛下御自身はかなり以前より周囲に心情を吐露されていたというが、国民一般が関心を持ち議論を始めるようになったのは今年になってからではないか。俺の認識ではまだスタート地点である。

俺自身の考え方としては、生前退位はされるべきではないと思う。もし生前退位が復活したならば「太上天皇」という位が設けられることになる。今日、皇室は政治的な実権を持たず国の象徴に徹すると言えども、それだからこそ権威は大きい。今上天皇と太上天皇という2つの権威が存在することが権威の政治利用に繋がらないとも限らない。

憲法や法律は時代が変わればそれに合うよう変えていく必要がある。しかし「天皇」は日本国の象徴、いわば日本そのものである。感情や利便だけで扱うべきではない。もし崩御されれば国全体として受け止め影響を甘受して喪に服す、そういうものだと俺は思う。
posted by 三四郎 at 11:23| 千葉 ☁| Comment(2) | TrackBack(0) | 政治・経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
先ず、この問題は、ちゃんと「生前譲位」と云う表現で俎上に上げるべきであると私は思います。

 そして、現状の天皇陛下のお立場は、現行憲法によって決められたものである事を前提とせねばなりますまい。

 然るに、生前譲位に関しては、明治以前の天皇家であれば、例は幾らでもあり、其れが故に、上皇や法皇と云った位が歴史上に存在するワケです。

 然し、現行憲法には、殊に因れば、効力停止中の欽定憲法にも、生前譲位に関する条項は存在して居ないのではないか? と思います。

 国民の多くが生前譲位が有っても宜しいのではないかとのアンケート結果だったと云うが、殊は、皇室典範の改正である。 先ず現行憲法に、皇室典範の改正についての条項はあるのか? と云う疑問が生じて当然だろう。無かった場合、付加するにしても新たに創るにしても、是は「改正」である。

 皇室典範なるモノが、現行憲法1条にいう「天皇は日本国の象徴=国民と云う存在ではない」事に依拠しているのであれば、憲法改正と同次元で語られ、国民投票によって、改正されるべきではないだろうか。

 二階氏が、「俎上に上げるべきだ」と云うが、憲法改正には、96条を先ずクリアしなければならない等、「一筋縄で出来る話ではない」事は承知の上なのであろうか。

 英邁なる陛下が、これ等の諸事情を斟酌なさらずに仰っている事は、先ず考えられない事でありましょう。御立場からすれば、憲法に定められたご政務以外、政治的な事には関与できない、殊に成って居るからです。

 ですから、陛下は飽く迄、「参考」としてご自身の経験から、将来、政務を引き継がれるご子孫を慮るに、「その時々の状況により、ご政務の履行不全に陥った場合の事をも検討していただきたい」つまりは、「何れ憲法改正を行う場合には、参考事例として検討していただきたい」と仰っているのではないかと、畏れながら忖度いたします。

 即ち、「憲法改正の折に」と云えば、恰も、「憲法を改正してくれ」と云う、お言葉に方向性が出てくる事を憚られたのではないかと、愚考致します。 天皇陛下に斯様な気を遣わせる現行憲法の存在自体が私には、許し難く思えるのですが。

 然しながら、私は現行憲法が、GHQが草案を書いたばかりに、主要部分は殆ど押しつけで、占領軍兵士の身分や生命を守る事を旨として書かれたものである疑いを持って居たが、バイデン副大統領の発言により、その原因が分った訳だから、日本国民が望む憲法を、早急に作成して、現行憲法を破棄、若しくは敵視中の欽定憲法を復活させ、直後に現行使用に耐える様に大幅な改正を行って、新憲法とするべきであろう。
Posted by ナポレオン・ソロ at 2016年09月03日 16:37
ソロさん、こんにちは。

>陛下は飽く迄、「参考」としてご自身の経験から、将来、政務を引き継がれるご子孫を慮るに、「その時々の状況により、ご政務の履行不全に陥った場合の事をも検討していただきたい」つまりは、「何れ憲法改正を行う場合には、参考事例として検討していただきたい」と仰っているのではないか

確かにご自身のお立場は誰よりも陛下御本人がご理解されているわけですから、そのような配慮のもとになされたご発言かもしれませんね。

>皇室典範なるモノが、現行憲法1条にいう「天皇は日本国の象徴=国民と云う存在ではない」事に依拠しているのであれば、憲法改正と同次元で語られ、国民投票によって、改正されるべきではないだろうか

同感です。そのくらい「重い」ものであることを認識することが、この問題を語るうえでは必要だと思います。
Posted by 三四郎 at 2016年09月03日 17:50
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