2016年10月23日

どんな国なの?

潜水艦を自国で開発建造ができずフランス企業に外注することになった豪州。その際の必要条件である国内建造比率90%も実現できそうにないと、このほど連邦政府閣僚が発言し問題になっているらしい。加えて軍の制服も自国内で生産できず中国企業に外注するという(NNA/Yahoo)

オーストラリア海軍の次期潜水艦建造作業の9割を国内で実施する計画は実現しない――。連邦政府のカー影のイノベーション相は18日、上院議会で国防省のリチャードソン事務次官にこのようにコメントして問題となっている。指摘通りになった場合、潜水艦選定の主要条件だっただけに、日本を含めて波紋が広がりそうだ。19日付アドバタイザーが伝えた
>同事務次官は「設計フェーズの初期段階であり、具体的なパーセンテージを設定するのは時期尚早」と答えた。ペイン国防相も同事務次官の答弁を弁護し、「オーストラリア国内での建造と国産品の使用を最大化することを目指している」と述べた
>一方、造船所がある南オーストラリア(SA)州選出のゼノフォン上院議員は、フランスの労働組合員らがフランス国内での作業を増やすよう求める運動を展開しているとの報道があることを指摘した。このほか、国防省は、オーストラリア軍の新しい制服が中国製となることについても追及を受けた
同建造契約を受注したフランスの政府系造船会社DCNSや連邦政府のパイン国防産業相は先に、作業の9割以上をオーストラリア国内で実施することを確約して契約に至っている
>会計大手デロイト傘下のシンクタンク、デロイト・アクセス・エコノミクス(DAE)はこのほど発表したリポートで、「次期潜水艦プロジェクトは、自動車生産中止によって大きな傷を負うSA州の産業にとって一時しのぎの応急策にすぎず、今後数年は相当厳しい道のりとなる」との見方を示した。また、同州の人口成長率は10年ぶりの低水準となり、国内平均よりも高齢化が進んでおり、選挙区が削減される可能性があるとしている。一方、資源ブーム減速の影響は他州ほど大きくなく、失業率も過去1年で改善し、小売売上高も相対的に伸びているという

もうひとつはこの記事(@niftyニュース/レコードチャイナ)

>2016年10月20日、環球網によると、オーストラリア国防省が中国企業と軍服製作の契約を結んだ問題で、国内の政治家から批判や反対が相次ぐ中、野党・労働党の議員から「発注した軍服に追跡可能な素材が使われる恐れがある」との指摘が出ている
>豪議会で19日、国防に関する審議が行われた。主に軍の作戦能力低下や、大型軍備の調達、中東問題について話し合われる予定だったが、労働党は軍服の中国企業への発注を問題として挙げ、追跡可能な素材が使用された場合、情報が中国軍に伝わり、スパイ活動や国家安全保障上のリスクが高まる恐れがあると指摘した
豪州国内の企業はここ10年余り、コストや生産能力、製造能力の問題から、単独では軍服製作を請け負うことができない状態にあるという。そうした点も含め、中国企業に発注することに対して、政治家など国内から「恥だ」との声が上がっている


海洋国家の国防の要である次期潜水艦の開発建造が地方経済再生の弥縫策にしかできず、その計画策定プロセスもいいかげんなら、軍服一つ作れる能力が国内に残っていないとはどんな国なんだと思う。しかも体制や価値観を異にする仮想敵国の企業に生産委託するなど、危機管理意識が全くないと言っていい。正直どんな国なんだと思う。天然資源に安住した国家の行く末はこんなものか。

日本は潜水艦建造計画から弾き出されたわけだが、改めて「高見の見物」に回って正解というものじゃなかろうか。
posted by 三四郎 at 09:52| 千葉 ☁| Comment(2) | TrackBack(0) | 政治・経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
>>豪州国内の企業はここ10年余り、コストや生産能力、製造能力の問題から、単独では軍服製作を請け負うことができない状態にある
否々、私が30年ほど前、私が面倒を見ていた日本〜南米の航路に従事して居た船が、豪州〜南米に航路変えして、船の日本人の乗り組みから大量の鋼管と鉄板、そして配管要素の注文が有りましたので、豪州の代理店に向けて、業者の紹介や推薦を頼んだのですが、帰ってきた答えは、「豪州内には、御期待に応えられる生産企業が無く、全て輸入する他は無い。 然し、輸入するにしても、ボルトナットなら万本単位、鋼管や鉄板なら、千トン単位でないと受け付けられない」との事実上の「御断り」の返信が来ました。

 航路変更するシリーズ船は4隻居ましたので、数量的には何とかなりそうでしたが、船からの要求通り、鋼管でも「スケジュール管」を、とか、ボルトでも「STM」を、とか、細かい仕様を提示しても、チェックすらできそうにないので、あきらめました。 結局、船主に事情を話して、日本から4隻分の材料を纏めて送ったのですが、向こうでバラバラにしてしまい、貨物が行方不明になって、後で大変な目に遭った事を覚えています。

 以来、資源輸出で飯を食っている国というのは、基本、生産技術力・知見の欠片もない、という認識をしなければならないと思って居ます。 武器生産部門を除くロシアに然り、石油資源輸出のベネズエラやOPEC諸国もほぼ同じだと考える必要がありそうです。

 此度の潜水艦失注の話ですが、川重や三菱も、豪州の予想以上の技術力・知見の低さに、「あれこれ、注文を付けられて悩むより、いっそ失注した方が良かった」と云う反応が、ある様です。 然しこの認識は、武器輸出を現実化しようと云うのなら、必ず乗り越えねばならないハードルで、両メーカー共、是からの自身への課題でもありますがね。
Posted by ナポレオン・ソロ at 2016年10月24日 10:06
ソロさん、こんにちは。

なるほど天然資源に依存してきた国はそうなのですね。金持ちの放蕩息子みたいなものですね。そういう国に限って妙にプライドだけは高いのですよね。

メーカーに限らず日本人はこういう国家国民との付き合い方をいろいろと学ぶ必要がありますね。
Posted by 三四郎 at 2016年10月30日 16:31
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