2016年12月18日

勝負の行方

安倍首相とプーチン大統領との日ロ首脳会談が終わった。共同会見を見る限り、日本側に得るものはほぼ無く、総額3,000億円の経済協力という文言のみがやたらと空しく踊る。1965年の日ソ共同宣言の解釈一つとっても相互に隔たりがあるということが、今回の会談と現在の日ロ関係を象徴している(日経電子版)

>安倍晋三首相は17日の日本テレビのインタビューで、ロシアのプーチン大統領が北方領土問題を含む平和条約交渉で、1956年の日ソ共同宣言を起点に据えていることを明らかにした。同宣言は平和条約締結後の色丹島と歯舞群島の日本への引き渡しを明記しているものの「『主権を返すとは書いていない』というのがプーチン氏の理解で日本側と齟齬(そご)がある」と語った
>プーチン氏は北方領土問題について、これまで「ロシアに領土問題は存在しない」との認識を示している。安倍首相はインタビューで、日ソ共同宣言に基づき歯舞群島と色丹島が日本に引き渡された際は主権も日本に移るとの認識を示し、プーチン氏との認識のずれが改めて浮き彫りになった
>日本が領土問題の前進のため、ウクライナ問題で米欧と科している対ロ制裁で譲歩するとの見方を巡っては「制裁の解除が条件という話は一切なかった」と強調。領土問題と対ロ制裁を結びつけない意向を示した。「(プーチン氏は)制裁を科されることは不愉快だろうが、それをのみ込んで日ロ関係を前進する価値を理解している」と強調した


二階など自民党幹部の中にも「がっかりした」と今回の会談を失敗視する向きもあり、反安倍勢力は一斉に「外交的敗北」と批判を展開している。

正直なところ、俺は今回の会談で何らか領土問題に進展があるなどとは思っていなかった。ましてや二島だけでも返還の道筋が見えることなど毛頭期待していなかった。

軍事力も弱く、圧倒的な政治力、経済力を背景にした後ろ盾があるわけでもない今の日本の状況では、元島民の方々には悪いが、日本人としての願望こそあれ期待までできるはずもないではないか。

戦後70余年の間膠着し、歴代政権がソ連・ロシアに翻弄されてきた経緯を思えば、北方四島において「特別な制度」のもとに経済協力を行うと、初めて首脳間で合意したことだけでもまずまずの成果とすべきだろう。

今後、「特別な制度」の設計交渉プロセスが今会談の本当の「勝負の行方」を占うことになるのではないかと考える。かつてのサハリン2ガス田開発のごとく、日本がいいように手玉に取られるだけの結果に陥ることの無いようにしてもらいたい。「盗人に追い銭」はご免蒙る。
posted by 三四郎 at 15:26| 千葉 ☀| Comment(2) | TrackBack(0) | 政治・経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
この日露首脳会談の本当の意義は、プーチンが国内世論の同意を取り付けないと、執行できない「領土返還」では無く、現在は、双方にとってキーとなる国の米国の大統領が、新規就任するまでの真空期間である事では無いのか。

 勿論、領土問題で「新たな提案」はあっただろう、それは否定しないが、主たる問題が、対中、対韓といった、両国の経済的な衰退を原因とする極東情勢の緊迫化であるのは、余り説明を要する話では無い。

 日米にとって、ロシアが極東問題に関わって来る事で、中露で日米に対抗されると、オソラク、最大10年は冷戦状態になりますが、シナ経済の性質から言ってロシアは、其の消費力で米国や日本の代わりは出来ないので、逆に、不安定さが大きく、色んな要素で戦争になる可能性が有ります。 

 その戦争は起さない事が最善ですが、最小に止める努力を、今の時期に日露が具体的に話し合う事は、非常に意味があると私は思います。
Posted by ナポレオン・ソロ at 2016年12月24日 10:33
ソロさん、こんばんは。

なるほど、米国の今後が見えない中で極東地域の不安定化に備える話し合いを持ったという意義は確かにありますね。

「領土問題で成果なし」という声が野党や二階あたりから出ているのも、その意義をあえて無視して「安倍おろし」につなげたいだけなのかもしれませんね。
Posted by 三四郎 at 2016年12月25日 17:25
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