2017年11月19日

希薄労組

政府は企業に対する税制優遇措置を見直し、利益を賃上げや設備投資に回さず内部留保をため込む場合は実質的に増税とすることとして、賃上げ等を促すべく政策面からの圧力をかけていくようだ(読売電子版)

>政府は、特定の条件を満たした大企業に適用している法人税優遇措置について、賃上げや設備投資拡大が不十分な場合に停止し、実質的に増税する方向で与党と調整に入った
企業が稼いだ利益の蓄積にあたる内部留保を賃上げや設備投資に回すよう、大企業に「圧力」をかける異例の税制となる見通しだ
>自民、公明両党の税制調査会で詳細を詰め、2018年度税制改正大綱に盛り込むことを目指す
>企業が支払う税を軽減する特別な優遇措置は計100以上ある。このうち、製品や技術の開発で試験や研究の費用を増加した企業の法人税を軽減する「研究開発減税」などについて、賃上げや設備投資が不十分な場合に適用しないことを軸に検討している。政府によると、研究開発減税は15年度、1万2287件活用され、適用額は6158億円。自動車大手や化学品メーカーなど大企業の利用が多い


時に自民党政権が「中道左派」ではないかと思う所以がこういった政策提言をするときにある。民間企業の経営方針について国が介入するようなもので賛否両論あるだろう。

しかし俺は基本的に賛成だ。そもそも企業活動は「貯蓄」を目的としたものではなく、生産やサービスを通じて得た利益を株主や従業員にも還元しつつ、資本に追加し事業を拡大してさらに大きな利益を得ていく継続的な営みと理解しているからだ。

利益をさらなる投資や賃上げに回さないのであれば効率の悪い銀行のようなもので存在価値はない。字義的にも「企業」と言えるものではなくなるので税制優遇から外されても仕方ないだろう。

きちんと投資や賃上げを行っている限り、「増税」の憂き目にあうことはないのだから資本主義国の政府が推進する政策としても問題はない。

大企業が国外に脱出するのではないかという懸念にも一理あるが、俺はその点あまり心配していない。むしろ日本企業の体質改善には必要な措置と思う。

感覚的にだが、今の日本企業の経営者のマインドは悪い意味で保守的で、流行は追うが抜本的な変革には及び腰と感じている。ここで政府が無為無策に徹すれば企業活動そのものが縮小退行し海外との競争力を失うことになろう。

それにしてもこうした提言は連合のような労組組織が本来行うものではないだろうか。支援する民進党や立民党に問題提起し、彼らが政策デザインを行って政府与党にぶつけていくといった建設的な営みがどうして出てこないのだろうか。こうした点において日本の労組や野党は実に存在感が希薄だ。

総選挙で一定の民意が示されたにも関わらず、十年一日のごとく「モリカケ」を唱えているばかりでは土台無理な話で、そういうところが国民に愛想を尽かされているのだといいかげん気づいてもよさそうなものだが。


posted by 三四郎 at 10:42| 千葉 ☀| Comment(2) | 政治・経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
>>企業活動は「貯蓄」を目的としたものではなく、生産やサービスを通じて得た利益を株主や従業員にも還元しつつ、資本に追加し事業を拡大してさらに大きな利益を得ていく継続的な営み
 全面同意! 其れこそ、日本型の企業経営であろうと思う。欧米型の様に、経営者=投資家の身の利益を図れば、大きな格差社会が生まれるし、税を徴収しようとすれば、国籍を変えて逃れようとする、是では、国利民福では無く、私利私福のみの利己主義全開ではないか。

 全く、公と言う「皆で創り上げる利益共同体」の意味すら分って居ず、只管、自身と自身の係累の為にしか、生きて居ない。欧米の企業の姿勢との比較では、日本の滅私奉公の正しさが浮き彫りになる。

 然し何故、政府が本来労組と企業間で行われるべき賃上げ闘争に介入しなくてはないのか、と言うか、組合は一体何をやって居るのだろう、確かに賃上げダケ言っても、生活の工場は図れないのは戦後の労組運動が「賃上げと条件闘争」ダケに集約し、マンネリ化した事と、日本の経済が20年間沈滞した様に思われているが、世界では相対的に見れば、ステディな状態を続けて来たと言う見方すらある。 其れだけ、欧米経済の変化や凋落が激しいと言う事だろう。 日本人は、今、マスコミなどの雑音を一切シャットアウトして、冷静になって、自国経済を再評価して看るべきである。

 然し、経済が沈滞して居た時に、色々な経済学者から異口同音に指摘されていた、内部留保の抄くなさ=余裕の無さだったが、現在、全企業の内部留保の推定額は凡そ300兆円、国家予算の3年分が貯蓄として遊んでいる状態なのだ。 なる程、内部留保300兆円が多過ぎか、将又まだ不足かは、経営者で無ければ判断がつくまい、然しこの状況で、会社側に強い賃上げ交渉も出来ない,しないでは、組合員にその存在価値を疑われるのは必至だろう。

 何時、不況が来るかもしれないと言う会社側の惧れは、同じ社会で暮らす従業員とて同じ事である。経済は循環である事を考えれば、資金を滞留させて置くのが、一番の悪手である事は論を俟つまい。
Posted by ナポレオン・ソロ at 2017年11月19日 11:42
ソロさん、こんにちは。

私の会社の労組も連合傘下で、その機関紙の一面は大概「反アベ」「民進党支持」関係のものです。末端の組合員はしらけ切っていますね。組合は何がしたいのだと。それが総選挙の結果に表れています。

組合幹部は昔から「労働貴族」と揶揄されていましたが全く体質が変わっていないようです。
Posted by 三四郎 at 2017年11月19日 16:50
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