2017年01月03日

日米離反画策

沖縄県の翁長知事が今月訪米し、次期政権に対し「沖縄県の立場」を伝える方針だという(@niftyニュース/琉球新報電子版)

翁長雄志知事は名護市辺野古の新基地建設を阻止する意思を直接示すため、今月下旬にも訪米する方向で調整に入った。20日にはトランプ次期米政権が発足するため、米国防総省、米国務省の次官補級担当幹部の指名など、対外基地政策の体制固めをする前に県側の立場を伝え、米軍普天間飛行場返還・移設問題で「辺野古が唯一」とする日米両政府の姿勢を転換させたい考え
辺野古新基地建設問題に絡む翁長知事の訪米は2016年5月以来3度目。トランプ次期大統領の就任に合わせて早期に訪米して沖縄の民意や政治状況を伝えるため、過去2回の訪米行動からの「仕切り直し」をする形で新政権にアプローチする
>今回の訪米行動では米政府に発言力を持つ有識者らを交えたシンポジウムなどを開催することも計画している
>安倍晋三政権が昨年12月27日に新基地建設工事を再開し、辺野古移設が日米両政府の「既定路線」として次期政権にも引き継がれようとする中、政府当局者以外の政権周辺にも働き掛け、米側に再考を促す


この人の「訪米行動」とやらは、客観的に見て日米離反工作の一環、よく言っても自治体の首長の行動範囲を超えた越権行為である。

国家間の決め事として動いている基地移設問題が、自治体の都合や事情で覆せる道理はない。それでは国が成り立たない。直訴やデモで国の行動を変えられると思うべきではない。ここは韓国ではないのだ。

米国にしてみれば新政権発足早々、正式な首相の訪米前に「沖縄の立場」を直訴に来る県知事をどう見るだろうか。日米合意に水を差す要注意人物と見做すことは避けられないだろうし、日本国内の政治的安定性に疑問を抱くきっかけとなりかねない。それだけでも十分に日米離反工作になる。

移設反対で知事となったからには裁判に負けてでも何かしら痕跡を残しておかねばという悲壮感だけは伝わるが、こんなことをしても米国は建設的には受け止めず、日米双方延いては沖縄のためにもならない。新年早々だが少しは頭を冷やすべきだろう。
posted by 三四郎 at 10:58| 千葉 ☀| Comment(2) | TrackBack(0) | 政治・経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年12月31日

不動の情治国家

韓国・釜山の日本総領事館前に設置された「慰安婦像」。一度は市側が法的措置として撤去したものの、市民の執拗な抗議にあい結局は「黙認」という形で設置が認められるようだ(Yahooニュース/朝日)

>釜山市東区にある日本総領事館前に慰安婦問題を象徴する「少女像」を設置した市民団体や学生たち約60人は30日午後、総領事館前で記者会見を開き、口々に「市民の勝利」を叫んだ。「歴史をただし、民族の自尊心を打ち立てる市民の偉大な勝利だ」などと主張した
>少女像は28日、いったん「道路使用の許可を得ていない」とした釜山市東区と警察当局によって撤去された。像はそのまま、東区が保管していた
>だが、直後から東区には、市民からの苦情が殺到。困り果てた東区は30日午前に市民団体と面会し、像も返還した。区長は30日の記者会見で「法は守らなければいけない」と語る一方、「少女像(の設置)を一度も拒んだことはない」と述べるなど発言が迷走。「記者会見したのは(像の設置の)黙認だと言ってもらってもよい」と語った
>日韓関係筋によれば、東区の突然の態度変更に驚いた日本政府は、東京やソウルなどで韓国側に「像の設置を認めないでほしい」と繰り返し要請した
>しかし、韓国側は「要請は理解した」と答える一方で、30日夕方の段階で、像の撤去には動き出していない。韓国では朴槿恵(パククネ)大統領が弾劾(だんがい)訴追されて職務停止となっており、同筋は「今の韓国世論は朴槿恵政権への批判一色。朴政権による慰安婦合意を否定する空気も強まっている」と語る

以下は登録読者のみが読める部分だが、まとめサイトによれば次のようになる。

>大統領権限を代行する黄教安(ファンギョアン)首相は29日、日韓合意について「継続して維持していくことが望ましい」と語ったが、韓国政府は30日夕方の段階で釜山の少女像設置について一切のコメントを避けている
>最大野党「共に民主党」の秋美愛(チュミエ)代表は30日の幹部会議で「今、撤去しなければいけないのは、少女像ではなく、屈辱的な韓日慰安婦合意だ」と強調した
>韓国側には、稲田朋美防衛相が29日に靖国神社に参拝したことも、少女像設置に追い風になったとの見方がある。韓国側関係者の一人は「意識したわけではないだろうが、絶妙のタイミングだった」と日本政府関係者に語ったという
>韓国政府元高官は30日、「稲田氏の参拝も釜山の像設置も、当人たちの気持ちはわかるが、時期や相手の気持ちを考えない行為だ。周囲が関心を持てば持つほど、問題が大きくなる」と困り果てたように語った


どんな理屈をつけてみたところで、在外公館前にこのようなオブジェを置くこと自体、国際法や慣習に反するものだ。しかもそれが公道であれば韓国国内法や自治体条例にも反しているはず。政治的主張や感情を排し粛々と撤去して法的措置をとるのがまともな法治国家であろう。

それが釜山市の対応を見ているとまるで順法精神がないとしか言いようがない。市の責任者の発言は迷走し結局「抗議」に押し切られ、法をないがしろにした。「世論」を背景に責任逃れをしようという目論見かもしれないが行政官としてこれは辞職ものであろう。

またその原因を稲田氏の靖国参拝に絡めて日本側にも責任を擦り付けようという態度は非常に狡猾で、日本国民として憤りを禁じ得ない。稲田氏の参拝は真珠湾慰霊訪問を一方の当事者である日本国の英霊に報告するものでもあり、防衛相としてごく自然のものである。

そもそもこの問題は稲田氏の靖国参拝よりずっと前に発生し執拗な抗議と行政批判が展開されていた。市側はもともと「世論」に押し切られるつもりで黙認するタイミングを計っていたのであろう。したがって靖国参拝は「渡りに船」となったに過ぎない。「絶妙のタイミング」という言葉が何よりの証拠である。

しかもこうした「圧力」で法を捻じ曲げる行為を「勝利」と呼ぶ感性に俺は共感も理解もできない。少し前のTV番組で池上彰氏が、「デモで大統領を辞めさせたという成功体験ができた。これからも同じことが起きる」とコメントしていたが、まさに本件にも通じるものであり「なんちゃって先進国」の姿そのものである。

国家間、国民同士の信頼も道義も構築し得ない国だとは思っていたが、これは決定打になるのではないか。もし韓国が日韓合意を破棄するならそれもよい。拠出した金銭を全額返還させると同時に、まずは釜山領事館の閉鎖と韓国人ビザ無し渡航の無期限停止を行い、最終的には国交断絶に行くべきだ。日本政府・外務省にはその覚悟と意思をもってもらいたい。

もうこの国とはまともに付き合えない。
posted by 三四郎 at 11:28| 千葉 ☁| Comment(2) | TrackBack(0) | 政治・経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年12月29日

戦争をしないためにこそ

安倍首相の真珠湾慰霊訪問は、内外各層から概ね好感をもって受け入れられているようだ。数あるニュースの中で、旧軍兵士の感慨を時事がつたえているものがあるが、その受け止め方はさまざまである(@niftyニュース/時事)

>空母「瑞鶴」に乗艦し、真珠湾攻撃に参加した楠木優さん(94)は、広島県府中町の自宅で安倍晋三首相が演説するテレビ中継を見守った。ハンカチを握りしめ、真剣な表情。最後までじっと聞き、「やはりあの戦争はすべきでなかった」とつぶやいた
>演説で、真珠湾で戦死した戦闘機パイロットのために米兵が碑を建ててくれたと知り、感謝の思いが込み上げたという楠木さん。和解を訴える内容にうなずき、「許し、許し合うことは大切だ。訪問で過去の清算が進むならいいこと」と語った
>瑞鶴の元整備兵川上秀一さん(98)=岡山県笠岡市=は、首相が米国の退役軍人と言葉を交わす姿に「きのうの敵はきょうの友だとはっきり感じた」と感慨深げ。否定的な意見もある中での訪問を評価し、「両国の関係がより堅固になり、次世代まで永遠に平和であるよう願っている」とかみしめるように語った
>戦闘機の元パイロット笠井智一さん(90)=兵庫県伊丹市=も「米国と一緒に慰霊したことに意味がある。歴史に残る平和への大きな一歩だ」と喜んだ。「戦争は人の殺し合い。平和以外に幸福はない」と強調し、「きょうはそれを考える日にすべきだ」と話した
>一方、空母「飛龍」の整備兵だった滝本邦慶さん(95)=大阪市東淀川区=は、不戦を誓う首相の演説に「うそをつくな」と厳しい口調。安全保障関連法成立や憲法改正への動きを指摘し、「実際には戦争できる準備を急いでいる」と批判し、「それを見せないきれいな言葉にだまされてはいけない。勝っても負けても泣くのは国民。二度と戦争をしてはいけない」と訴えた


前3人の意見、思いは概ね首肯しうるし共有できるものだ。かつて直接戦った敵国同士の首脳が揃って慰霊を行うことは、和解の象徴としてこれ以上のものはない。一つの大きな区切りであることは確かだし、この日を平和の意味や価値を考える日にすべきという言葉には同感である。

しかし4人目の元兵士の意見は少し違うと思う。安倍首相の不戦の誓いに対して、「安全保障関連法成立や憲法改正への動き」をもって「嘘」と断じる見方は極めて政治的偏見に満ちたものだ。

俺などが言わずとも元兵士であれば百も承知だろうが、戦争は一国でするものではない。常にその国の平和や存立を脅かす外部要因があってこそ勃発するのである。

そして今日、それは軍拡路線をひた走る中国や北朝鮮でありいずれも日本のすぐそばにあって、日本への敵意を陰に陽にちらつかせている。これに備えるは一国の指導者として誰がなっても当然の責務であろう。批判の矛先は安倍首相ではなく、中国・北朝鮮あるいは世界中に憎悪と不信の種を撒き散らしているIS等テロリストの指導者に向けるべきだ。

そもそも政治的、軍事的に「弱い国」ほど戦争に巻き込まれるのが歴史の現実である。戦争をしないためにこそ、法も武器も必要なのだ。その視点が無い「反戦」思想が語る言葉こそ「見せかけのきれいごと」だと俺は思う。
posted by 三四郎 at 09:13| 千葉 ☁| Comment(3) | TrackBack(0) | 政治・経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年12月24日

中国恃みの危うさ

未だに「中国」に期待をつなぐ企業経営者は多い。かつては「世界の工場」として安い人件費を梃に生産拠点として存在感を示してきたが、経済成長に伴い人件費が高騰、その立場は次第に東南アジアに奪われていったものの、今度はその所得に目を付け「市場」としての価値を恃もうというわけだ。

しかしこの国は常に「経済」と「政治」を連動させ、日米もまともな市場経済国家と見做してはいない。そういう国に企業の存続をかけることの愚かさ、悲しさが実感できるニュースがある(@niftyニュース/ビジネスジャーナル)

>1年前の2015年12月、「ユーキャン新語・流行語大賞」が発表され、中国人観光客による「爆買い」が大賞を受賞した。爆買いの恩恵をもっとも受けた企業として、免税店大手、ラオックスの羅怡文(ら・いぶん)社長が大賞受賞の栄誉に浴した。15年12月期の売上高は前年比2倍、純利益は7倍という驚異的な数字を記録した
>あれから1年たち、爆買いの風景は一変した。ラオックスの16年1〜9月期決算の売上高は、前年同期比31.9%減の494億円(前期は725億円)、営業利益は98.2%減の1億円(同75億円)、純利益も97.4%減の1億円(同70億円)だった
>●客単価が落ち込み、全店売上高は半分以下
>ラオックスは中国の旅行代理店と組みツアー客をしっかり押さえることで、爆買い需要を取り込んだ。1人当たりの平均客単価は、春節の15年2月は前年同月比1.6倍の3万7992円、花見シーズンの同年4月は3万9021円と過去最高を記録した。この頃から、爆買いという言葉が頻繁に使われるようになった
>だが、やがて財布の紐は硬くなる。15年11月に客単価は3万円を割り込んだ。16年2月の春節以降、客単価は月を追って落ちていき、同年9月は1万7461円となり、とうとう2万円を下回った。ピークの15年4月と比べると55%減である
>その結果、売り上げは激減した。店舗数は15年12月末の33店から16年10月末には42店に増えているにもかかわらず、全店の売上高は16年2月以降、前年同月の実績を下回った。減少幅はさらに拡大し、16年9月には実に55%減と惨憺たる結果となった
>売り上げは減っているが、中国人観光客の数が激減したわけではない。中国政府は国内消費喚起策として、海外で使われているカネを国内に戻す施策を打ち出し、今年4月から海外で購入した高額品に高い関税を課した。これで爆買いに急ブレーキがかかった
>中国人観光客の消費は、ブランド物の高級時計や全自動炊飯器などの値が張るものから、化粧品や日用雑貨など価格の安い商品に移った。中国での転売を目的としてまとめ買いする団体客が、関税の強化で姿を消したことが決定打となった。中国で転売しても儲からなくなったからである
>中国人観光客も、他国からの観光客と同じように買い物から観光などに訪日の目的が変わったといえる。つまり、普通の観光のスタイルになっただけのことだ。
以下略


国内消費喚起策として市場の規制緩和を進めるのではなく、海外購入品に高関税を課すなど、改革を忌避し即効性に走り自由貿易を維持する気は毛頭ないという、いかにも強権独裁国家らしい動きである。

だけでなく、中国政府は海外旅行客の必携アイテムと言える「銀聯カード」の新規発行を停止してるらしい。

外貨は中共にとり政権を支える打ち出の小づちだろう。「札束外交」で中小国、途上国を囲い込み締め上げる。資源や資金を還流させ、国内経済を好循環に持ち込み統治を強化する。その「勝ちパターン」を崩壊させぬよう内需を喚起し外貨の流出を食い止めたい、という中共の焦りが露骨に経済政策に反映している。

日本の場合はまだ観光客の「激減」には至っていないようだが、台湾は「大陸観光客の激減」が独立志向の強い民進党政権に対する揺さぶりとなり、韓国はTHAAD配備への報復として「韓流芸能制限」がかけられているという。

かくの如く政経連動の影響だけでなく、露骨に政治の道具として経済活動をコントロールしている実態を見れば、経済界はチャイナリスクを軽視しすぎているように思えてならない。「来るカネは拒まず、されどあてにせず」が対中ビジネスの基本となるべきだ。
posted by 三四郎 at 08:01| 千葉 ☀| Comment(2) | TrackBack(0) | 政治・経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年12月18日

勝負の行方

安倍首相とプーチン大統領との日ロ首脳会談が終わった。共同会見を見る限り、日本側に得るものはほぼ無く、総額3,000億円の経済協力という文言のみがやたらと空しく踊る。1965年の日ソ共同宣言の解釈一つとっても相互に隔たりがあるということが、今回の会談と現在の日ロ関係を象徴している(日経電子版)

>安倍晋三首相は17日の日本テレビのインタビューで、ロシアのプーチン大統領が北方領土問題を含む平和条約交渉で、1956年の日ソ共同宣言を起点に据えていることを明らかにした。同宣言は平和条約締結後の色丹島と歯舞群島の日本への引き渡しを明記しているものの「『主権を返すとは書いていない』というのがプーチン氏の理解で日本側と齟齬(そご)がある」と語った
>プーチン氏は北方領土問題について、これまで「ロシアに領土問題は存在しない」との認識を示している。安倍首相はインタビューで、日ソ共同宣言に基づき歯舞群島と色丹島が日本に引き渡された際は主権も日本に移るとの認識を示し、プーチン氏との認識のずれが改めて浮き彫りになった
>日本が領土問題の前進のため、ウクライナ問題で米欧と科している対ロ制裁で譲歩するとの見方を巡っては「制裁の解除が条件という話は一切なかった」と強調。領土問題と対ロ制裁を結びつけない意向を示した。「(プーチン氏は)制裁を科されることは不愉快だろうが、それをのみ込んで日ロ関係を前進する価値を理解している」と強調した


二階など自民党幹部の中にも「がっかりした」と今回の会談を失敗視する向きもあり、反安倍勢力は一斉に「外交的敗北」と批判を展開している。

正直なところ、俺は今回の会談で何らか領土問題に進展があるなどとは思っていなかった。ましてや二島だけでも返還の道筋が見えることなど毛頭期待していなかった。

軍事力も弱く、圧倒的な政治力、経済力を背景にした後ろ盾があるわけでもない今の日本の状況では、元島民の方々には悪いが、日本人としての願望こそあれ期待までできるはずもないではないか。

戦後70余年の間膠着し、歴代政権がソ連・ロシアに翻弄されてきた経緯を思えば、北方四島において「特別な制度」のもとに経済協力を行うと、初めて首脳間で合意したことだけでもまずまずの成果とすべきだろう。

今後、「特別な制度」の設計交渉プロセスが今会談の本当の「勝負の行方」を占うことになるのではないかと考える。かつてのサハリン2ガス田開発のごとく、日本がいいように手玉に取られるだけの結果に陥ることの無いようにしてもらいたい。「盗人に追い銭」はご免蒙る。
posted by 三四郎 at 15:26| 千葉 ☀| Comment(2) | TrackBack(0) | 政治・経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする