2017年10月15日

神鋼恐慌

政治的な分野を離れてみれば、最近では神鋼のデータ改竄問題が社会的な影響度からみて筆頭のニュースだろう。その範囲は自動車から公共交通、果ては原発など社会インフラにまで広がっているようだ(@niftyニュース/読売新聞)

神戸製鋼所によるアルミ・銅製品などの検査データ改ざん問題が発覚して15日で1週間となる
出荷先は約500社に上り、自動車など国内外の各種メーカーに影響が広がっている。自動車や航空機に乗る一般の顧客の疑念も募るばかりだ
>「規模が不透明で、車種もどこまで広がるか分からない。我々も不安だが、ドライバーはもっと不安だろう」。首都圏の車販売店関係者は14日、困惑した様子で話した
>出荷前の検査でデータを改ざんしていた不正を8日に公表してから、トヨタ自動車などの一部車両や東海道新幹線の車両などで問題の製品が使われていることが判明した。欧州航空機大手エアバスも製品を使用していないかどうか、調査に乗り出すなど、影響は拡大している


出荷記録と正しいデータが残っていればそれを公表すればいいだけの話だが、改竄は10年以上に渡って常態化していたとも言われているから、おそらくそんなものも残っていないのだろう。各製品メーカーやエンドユーザーは疑心暗鬼にならざるを得ない。

まずは何がどこまで改竄されたのか全容解明が急務ではあるが、この一週間の様子を見ていると裾野は広く時間もかかりそうだ。何より組織的な改竄であれば自浄作用も期待できない。早晩、行政・司法的な強制調査に頼らざるを得なくなるだろう。

素材は日本の産業技術力の源泉であり土台でもある。エアバスなど欧州航空大手までもが影響下にあることがそれを物語っており、畢竟日本の素材技術の優秀さと信頼性の証であった。それだけに日本ブランドに与える影響は大きい。

神鋼という企業の風土的なものか、あるいは東芝の不正経理にも通じる日本の大手企業に共通する何か根源的なものがあるのか、早急かつ徹底した検証が求められる。神鋼はもとより日本企業の経営陣は、この事件を世界が注目していると知るべきだ。
posted by 三四郎 at 08:32| 千葉 ☔| Comment(4) | 社会・教育 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年09月02日

印象報道

菅官房長官は東京新聞記者の質問に対し「未確定な事実や単なる推測に基づく質疑応答がなされ、国民に誤解を生じさせるような事態は断じて許容できない」と異例の文書注意をしたらしい(msn/産経)

首相官邸報道室は1日、学校法人「加計(かけ)学園」の獣医学部新設計画をめぐり、8月25日の菅義偉官房長官の記者会見で、東京新聞記者の質問に不適切な点があったとして書面で東京新聞に注意を喚起した
>質問したのは、加計問題などで菅氏を追及している社会部記者。加計学園が計画する獣医学部施設の危機管理態勢をただす中で「(計画に対する)認可の保留という決定が出た」と言及した
>獣医学部の新設計画は大学設置・学校法人審議会が審査し、答申を受けた文部科学省が認可の判断を決めるが、この時点ではまだ公表されていなかった
>官邸報道室は東京新聞に宛てた書面で「未確定な事実や単なる推測に基づく質疑応答がなされ、国民に誤解を生じさせるような事態は断じて許容できない」として、再発防止を強く求めた


政府が特定のメディアに注意を促すという行為は一歩間違えれば「報道弾圧」「強権発動」などのレッテルを貼られ、内容によってはメディアスクラムによる非難の嵐を呼びかねない。

そんなリスクを冒してまで政府が文書注意に踏み切った今回の事案は、このメディアの意図的な印象報道ぶりが既に一線を越え、公平性・中立性の観点からも看過できないレベルになっていることの証左であろう。

記事では記者の氏名を公表していないが、菅官房長官の会見のおり、予てより執拗に誘導的、印象操作的な質問を繰り返してきた記者がいる。今回の事案が当人であるかはこの記事だけではわからないが、仮に別人だとしても、このメディアがどういう体質、スタンスかがよくわかる一件だ。

全国にはローカル紙ながら、朝日・毎日を凌ぐ反日・反政権のスタンスを隠さない新聞が多い。政権のマイナスは針小棒大に、時に捏造も厭わず、野党や反日勢力の失態は「報道しない自由」で隠す。新聞やその系列の地上波TVだけ見ていれば容易に洗脳されてしまう。

ネットが自由に使え、TVもBSやCSとまだまだ不十分とはいえ多チャンネル時代になっている。その意味で主権者たる国民も情報の受け手としての責任を問われていると感じる。
posted by 三四郎 at 09:43| 千葉 ☁| Comment(2) | 社会・教育 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月05日

倫理崩壊

トランプ大統領就任以降、ロシアの大統領選挙介入への疑惑やら首脳会談の内容やらの「その道」に通じた人物でなければ知り得ないような情報が相次いで暴露、公表されている。

これに業を煮やした政権側が関係者による情報漏洩取り締まりを厳しくする模様だ(時事電子版)

>セッションズ米司法長官は4日、機密情報の漏えいに対する取り締まりを強化していると明らかにした。記者会見で「リーク文化を終わらせなければならない」と強調。トランプ政権発足後の半年間、情報漏えいに絡み司法省が進めている調査量がオバマ前政権末期の3倍を超え、これまでに4人を訴追したと公表した
メディアへの強制捜査に関する規定見直しにも言及。「報道機関の役割の重要性は今後も尊重するが、限界はある」と語った。米メディアによれば、漏えい情報に基づき記事を執筆した記者が刑事責任を問われる可能性があるのか、ローゼンスタイン司法副長官は言葉を濁している
>トランプ政権では、ロシアによる米大統領選介入疑惑や幹部間の内紛をめぐる暴露話が、しばしば報じられてきた。トランプ大統領は先に、情報漏えいへの対応で「司法長官には、もっと厳しく対処してもらいたい」と注文を付けていた
>7月末には軍出身のケリー前国土安全保障長官を大統領首席補佐官に起用し、規律重視の姿勢を打ち出した。だが、今月3日には米紙ワシントン・ポストが、1月27日に行われたトランプ氏とメキシコ大統領らとの電話会談について、秘密のはずの会談内容を独自入手して記事を掲載している


この問題、基本的には公職に関わる者と報道関係者双方の職業倫理即ちモラルが問われているのだろう。

公職にある者として国家の運営に関する守秘義務は何にも優先すると考える。モラルは国家の存続を支える基盤のようなものだ。個人の思い、好悪で情報が拡散するようでは国として成り立たない。

また一方で自由主義の国においては報道の自由や権利も最大限尊重されるべきだし、ふさわしからぬ権力者の暴走、迷走をチェックしその仕事ぶりを評価する役割も認める。

しかしその手段として報道機関が公務関係者、利害関係者のリーク=情報漏洩を教唆し奨励することは明らかに一線を超えている。それが高じれば報道の暴走、迷走に繋がるわけで、そこに一定の規制を設け歯止めをかけることは当然に必要であり、これを言論弾圧・統制と同一視することは議論のすり替えというものだ。

もちろん公権側の不正、腐敗を許せというのではない。ただそのために情報漏洩という禁じ手を使う以上は、その提供者は職を賭する覚悟を持つべきだ。

同様にこれを採用する報道機関には情報の真贋を見極め、提供者とともに事実の立証責任を負い、場合によっては名誉棄損や誣告罪などを引き受けるという相応のリスクをとるべきだ。

そして誤報や捏造などで報道機関が過ちを犯した場合のペナルティも明確に定める必要がある。食中毒を起こした食品メーカーや外食は業務停止となり、不良品で事故を起こした自動車部品メーカーは大規模な損害賠償責任を負う。

その一方で報道機関が自ら発信したニュースの与えた影響について何ら責任を問われない状況であれば、「言ったもん勝ち」の世界となり、業界だけでなく社会のモラルが崩壊する。そもそもそれは社会規範の公平性にも反する。「ニュース」が「商品」である以上、その品質とともに「製造工程」すなわち「情報入手プロセス」も含めた「管理責任」を負うのは当然である。

いささか死語になりつつあるが、報道機関が自らを「社会の木鐸」と自惚れるならそれなりの「ノーブレスオブリージュ」を一市民として俺は要求する。
posted by 三四郎 at 07:48| 千葉 ☔| Comment(0) | 社会・教育 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年07月22日

眼前の偏向

7/18(火)に民進党の蓮舫党首が自らの二重国籍疑惑について報道陣に対して会見を行った。この様子は各マスコミも一応報道されているが、その後の続報は驚くほど少ない。

あの会見では台湾の国籍離脱に関する証明書らしいものが公表されたが、その記載内容とりわけ日付については疑問が多い。「10/17」に台湾内政部の審査が終了したということだが、発行日は「9/13」と遡りになっている。その経緯や理由については説明されていない。

また掲載された写真も斜めの角度から撮影された党宣伝ポスター用と思しきもので、正規の証明書用とするには不適合なものだ。

叩けば埃どころか醜悪なゴミの塊が転がり出そうな状況と言っていい。これが自民党の議員であれば野党、マスコミはこぞって追及するのではなかろうか。

それが本人の「差別につながる公表はもうしない」という一方的な問題すり替えと開き直りをもって、マスコミ界隈ではいつのまにやら「終息」させた感が充満している。

そして折も折、この時期に稲田防衛相の「スーダン日報問題」がまたぞろ掘り起こされている。

この件はおよそ半年前に国会でも議論され一応の片が付いている。新たな疑惑が出るには時間がかかりすぎ、タイミングとして非常な違和感がある。まるで蓮舫疑惑が手に負えなく状態になるのを待って、この問題を有耶無耶にするためのネタとして温存し、まさに時至ってぶつけてきた感がありありなのだ。

稲田氏については残念ながらいささか軽率で脇が甘く、閣僚の重責を担う自覚が無さすぎると感じる。俺も擁護する気は今となってはないが、安倍政権のアキレス腱として、また蓮舫疑惑のネタとして野党・マスコミに利用されているのが実相に見える。

野党第一党の党首という、公人中の公人にして、世が世であれば首相になっている人物が二重国籍という国法を冒していた疑惑を払拭できていないのに、そのことには触れず政権叩きに没頭するマスコミの姿に、この国の偏向に歪んだ報道実態を見る思いがして慄然とするばかりだ。
posted by 三四郎 at 07:27| 千葉 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・教育 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年06月17日

ロンドンの深い闇

ロンドンの高層住宅火災は死者が70人に達するという。行方不明者も相当いるようで、火災としては近年稀に見る大惨事である。

ここは公営住宅で住民の多数が低所得者層だというから尚更悲惨だ。TV報道ではアラブ系と思しき市民が多く映っている。そのこともあって、政権に対する風当たりは強いようだ(@niftyニュース/TBS)

>ロンドンで起きた高層住宅火災で、地元メディアは犠牲者は70人以上に達するとの見方を報じました。一方、行政の対応に怒った住民など数百人が地元の役所になだれ込みました
>ロンドンの低所得者向け高層公営住宅で起きた火災では、これまでに30人の死亡が確認されていますが、複数の地元メディアは「犠牲者が70人以上に達する見通しだ」と伝えました
>こうした中、火災が起きた地区の役所に数百人の住民らが押し寄せました
>「正義を、正義を」(住民)
>住民らは以前から求めていた防火対策が施されなかったことや、改修工事で燃えやすい外壁が取り付けられたことが被害の拡大を招いたと抗議の声を上げ、低所得者が見殺しにされたと訴えました
>「多くの犠牲者を出した責任を誰かが負うべきです。これは殺人です」(デモ参加者)
>メイ首相は火災の被害者のためおよそ7億円の支援を行うと約束しましたが、訪れた避難所でやじを浴びる一幕もありました


メイ首相にとっては先の選挙での敗北に続いての「災難」でさしずめ「不幸の女神」にとりつかれたような感じだろう。

TV報道で件の外壁について説明していたが、可燃性の断熱材を耐火性の非常に低いアルミ外装で覆う工法が採用されていたようだ。今時こんな設計、施工など英国のような先進国では考えられない。

況して役所が供給する公営住宅である。当然英国にも建築に関する法律やガイドラインが整備されているわけであり、どこよりもこれらを順守しなければならないはずだ。しかももともと古い建築で、構造や防火設備の面で今日の基準からみれば不足や欠陥だらけだったらしい。

それがこの事故である。公営施設として性能をアップデートする努力を行政が怠ったことは明らかであり、外壁工事について言えばどこかでだれかが意図的に手抜き工事をしたのでは、と考えるのは自然なことだ。

今回の火災はその意味で人災ともいえ、改修工事のプロセス検証の結果次第では行政による低所得者層の切り捨てという醜悪な現実に直面しないとも限らない。

他国のこととはいえ犠牲者、遺族の怒りは想像に難くない。今はご冥福を祈るばかりだ。
posted by 三四郎 at 16:08| 千葉 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・教育 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする