2011年07月18日

なでしこ、世界一

ドイツで行われていたサッカー女子W杯決勝戦は、延長、PK戦の末に日本が世界ランキング1位の米国を下し優勝した(読売電子版)

>サッカーの第6回女子ワールドカップ(W杯)ドイツ大会は17日午後8時45分(日本時間18日午前3時45分)から、フランクフルトで決勝が行われ、初の決勝進出を果たした日本代表(なでしこジャパン)が、3大会ぶり3度目の優勝を目指した世界ランキング1位の米国をPK戦(3―1)で破り、悲願の初優勝を果たした
>日本は69分に後半投入のモーガンに先制されたが、81分に宮間がゴールを決めて同点に追いつき、延長戦に突入した
>104分、ワンバックのゴールで勝ち越されたが、延長戦後半の117分、沢が飛び込んで右足で決め、再び試合を振り出しに戻し、2―2でPK戦に入った
>日本が国際サッカー連盟(FIFA)主催大会で優勝するのは、男女を通じて初めて。世界ランキング4位で6大会連続出場の日本は、これまでベスト8が最高成績だったが、今大会は、準々決勝で3連覇を狙ったドイツを破ると、準決勝でスウェーデンに快勝。決勝でも、過去3分け21敗と1度も勝ったことのなかった米国を初めて破った
沢は今大会の最高殊勲選手(MVP)に選ばれるとともに、通算5得点で得点ランキング1位に輝いた

先制され、同点に追い付き、追加点を許しながらまた追いつき、最後はPK戦で勝ちをもぎとった。あきらめないこと、勝利への執念が形になった試合で、素晴らしいの一語に尽きる。しかも日本は過去直近の大会ではいずれも一次リーグ敗退で、一部のサッカーフリークを除けば、正直ここまでやるとはとても信じられなかったと思う。しかし開催国ドイツ、北欧の強豪スウェーデン、そして米国と並みいる強豪を倒しての堂々たる優勝である。文句のつけようがない。

今回の一連の試合では、日本本来の組織力が絶妙に働いたこと、パス回しやPKでのシュートが非常に正確で、チャンスを自ら作り出したうえそれを確実にモノにしていったことが大きな勝因ではないか。執念だけでなく、日ごろの研究と練習、何より選手、スタッフ相互の信頼感ができていなくては到底達成できなかったはずだ。

震災以後、復旧復興事業や原発収束は醜悪な政治家、企業の保身によって迷走と手戻りを繰り返し、日本国民が大きなフラストレーションと将来への不安を感じているなかで、この快挙は日本にとって単なる朗報以上の価値を持つだろう。日本の各界、各層が鑑とすべきことも多いはずだ。とりわけ保身と沈滞の政界・業界への「括」として受け止めてほしい人間が多くいる。

刮目し覚醒せよ、日本。
posted by 三四郎 at 08:26| Comment(2) | TrackBack(22) | スポーツ・エンタメ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年07月10日

「なでしこ」が行く

正直それほどスポーツに関心があるわけではないのだが、サッカー、野球、バレー等の球技の国際試合になると俄然その行方が気になるから不思議だ。やはり「日の丸を背負って戦う」ことに日本人としての誇りを共有するのだろう。

女子サッカーワールドカップで日本(「なでしこジャパン」というネーミングのセンスにはついていけない)が開催国にして強豪のドイツを下し、初の4強となる快挙を成し遂げた(CNN日本語電子版)

>サッカーの女子ワールドカップ(W杯)ドイツ大会は9日、準々決勝2試合が行われ、日本は強豪ドイツを1ー0で下し、初の準決勝進出を決めた。日本は、10日にある準々決勝のオーストラリアースウェーデン戦の勝者と13日に対戦する
>ドイツは地元開催で大会3連覇を狙ったが、果たせなかった。同国の女子代表チームが試合で敗れたのは1999年以降、初めて
>ウォルフスブルクでの試合は無得点のまま延長戦に突入。延長後半3分、日本は主将でもあるMF沢穂希のパスを受けた途中出場のFW丸山桂里奈がゴール左に打ち込んで決勝点をもぎ取り、逃げ切った。ドイツはその後、猛攻を仕掛けたが、実らなかった
>準々決勝のもう1試合、イングランドーフランス戦はレバークーゼンで行われ、延長戦を終えて1―1となってPK戦に入り、フランスが初の準決勝進出を決めた

Bグループの第一シードという地位を獲得していた日本だが、まさかここまで勝ち進むとは思わなかった。ドイツ戦の勝因は数少ないチャンスを確実に生かしたことと、鉄壁のディフェンスということに尽きるようだ。それにしても8強に残ったのは欧州と豪という体格・体力において勝り、男子サッカーでも強豪と言われる国ばかりである。いつのまに日本女子はここまで強くなったのか、というのが正直な感想だ。

ここまでくれば目標は一つ、優勝狙いしかないだろう。いずれどのような結果になろうと、震災で疲弊し、政治の混乱を見せつけられて意気上がらない日本国民に対し、この上ないエールとなることは間違いない。「なでしこ」が開花するときを信じて待ちたい。
posted by 三四郎 at 18:49| Comment(0) | TrackBack(0) | スポーツ・エンタメ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月28日

希望への先駆

大震災以降、いやそれ以前もだが、このところ日本に関していいニュースが少なくなっていた。ようやく復旧に向けた動きが本格化しつつも、改善しているのかいないのかさっぱり分からぬ原発、東日本全体に広がるモノ不足感が日本全体のマインドを低下させている。イベントの相次ぐキャンセルや節電のため暗くなった東京の繁華街は象徴的な姿である。

そんな中、日本に関係した快挙が中東の地から発せられた。世界最高賞金を競う競馬レースのドバイWCにおいて、日本の調教馬が1・2位を独占したという(ロイター電子版)

競馬の世界最高賞金レース、ドバイ・ワールドカップ(2000メートルオールウエザー、G1)が26日、アラブ首長国連邦(UAE)のメイダン競馬場で行われ、ミルコ・デムーロ騎手騎乗のヴィクトワールピサ(牡4歳)が優勝。日本調教馬として初めて同レースの頂点に立ち、1着賞金600万ドル(約4億9000万円)を獲得した
2着には藤田伸二騎手騎乗のトランセンド(牡5歳)が入り、日本馬がワンツーフィニッシュを飾った。ライアン・ムーア騎手騎乗のブエナビスタ(牝5歳)は8着に終わった
>勝ったデムーロ騎手はレース直後、興奮を抑えきれないまま「信じられない」と感想を語ると、涙を見せながら「日本のために祈っていた。日本を愛してる。ありがとう」と大震災に見舞われた日本にメッセージを送った
>ヴィクトワールピサはスタート直後こそ最後方に付けたが、向正面で追い上げ、逃げたトランセンドをぴったりマーク。直線に入ってトランセンドをかわすと、半馬身差でゴールを駆け抜けた
>デムーロ騎手は「いつもスタートは良かったが、今回は上手くいかなかった。それでも、向正面でスローペースになったのがラッキーだった。先頭の馬をいい位置でマークできた」とレースを振り返った
2着と健闘した藤田騎手は「現在、日本の被災者が困難な時期に直面している時に、2着に入ることができ、この結果にはとても満足している」と話した。一方、見せ場を作れなかったムーア騎手は「競馬にならなかった」と悔やんでいた

これは日本の競馬界にとっては一も二もない快挙であろうが、同時に未曾有の大災害に打ちひしがれ、日々の艱難辛苦に必死に耐えている被災者や、直接の被害は少なくとも知り合いを失い、仕事が滞り、この国の将来に不安を抱いている多くの日本人にとって大きなエールになることも間違いない。

節電はつらい。モノ不足も困る。放射能は怖い。しかし被災者はもっともつらい。そんな中で被災地でさえ、明日のために再び歩き出そうとしている。無傷あるいは被害の少なかった我々が委縮し落胆していては始まらない。一人ひとりが自己の持ち場で歩き続けるしかない。一人の踏み出す一歩が集まって日本の一歩になる。2頭の日本の馬たちは、俺にはその先駆けに映る。
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2011年02月06日

国恥

八百長疑惑で揺れる大相撲だが、日本相撲協会は春場所を中止としたことにつき「膿を出し切るまで相撲は見せられない」と語っているらしい(読売電子版)

>日本相撲協会の放駒理事長は6日夕、春場所中止を発表した記者会見で、中止決定に至った理由について、「ファンの方々に理解頂けない状況では、とても本場所を開催することなどできない。またしてはいけないと思っている」と述べた
>また、「(八百長問題の)疑惑調査が難航していることがある。可能な限り実態解明する。うみを完全に出し切るまでは、土俵上で相撲をお見せすることはできない」とも述べた

まずは当然の認識だろう。これまで角界は人まで死なせた「しごき問題」、「野球賭博」、「闇組織との繋がり」など続けざまに不祥事を露呈させてきた。その都度協会は反省を口にし、関係者を処分してはきた。しかし本質的なところでタガが緩み、遂に自浄能力を示すことはできなかったということになる。

今回の不祥事はこれまでのものよりも一段と深刻な問題を孕んでいる。過去の問題は「若手の教育」や「憂さ晴らし」あるいは「必要悪」という言い訳に助けられながら、「いろいろあっても力士は真剣勝負を見せてくれている」という信頼、もしくは期待感を辛うじて保っていはいた。それは熱心なファンや国技としての伝統を重視する人々が「一時の過ち」を寛恕した結果と言えよう。

しかし今回は本質的に救い難い。それは土俵での勝負という自らの仕事であり、存在意義でもある相撲そのものを貶め無意味な茶番にしてしまうからだ。結果、それは力士の自己否定であるばかりか、支えてくれた人々の期待と信頼を裏切ったと言う意味で一段と罪深い。

しかも将来ある若手がこれに手を染めていたということには絶望感すら覚える。これ即ち、相撲に将来は無いと言っているに等しいのである。もちろん、これを見抜けず指導しきれなかったベテラン、先輩力士の罪も重い。

事ここに至っては春場所の開催など国民を舐めた態度と取らざるを得ず、開催しても白けムードが漂うだけになろう。まさに恥の上塗りであり中止以外にはありえまい。また相撲協会の公益法人格取り消しも止むをえまい。土まみれになって痛い思いをしなければ、この世界は立ち直れない。「国技」を「国恥」にした責任はきっちりとってもらいたい。
posted by 三四郎 at 18:37| Comment(2) | TrackBack(2) | スポーツ・エンタメ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年01月20日

韓流ビジネスの病理

韓国の女性アイドルユニット「KARA」が所属事務所との契約解除に発展するトラブルを受けて、相次ぐ同種の不祥事に韓流エンタメメディアは韓国芸能界のビジネス慣習に警鐘を鳴らしている(WOW KOREA/goo)

>「東方神起」、「SUPER JUNIOR」に続き「KARA」まで、収益配分など葛藤(かっとう)さまざま…韓流はどうなる。韓国の人気アイドルグループが相次ぎ、所属事務所を相手に専属契約の解除を求め、K-POP界の今後に赤信号が点った
>「KARA」の4メンバー(ハン・スンヨン、ニコル、ク・ハラ、カン・ジヨン)は19日、代理弁護側ランドマークを通じて「『DSPメディア』を相手に専属契約を解除し、マネジメント業務を中断するよう申し出た」とし「所属事務所は立場を利用しメンバーが望まない芸能活動を強要、人格を汚した」と主張した。「KARA」の専属契約解除に関するニュースは、2009年の「東方神起」のジェジュン、ユチョン、ジュンス、同年「SUPER JUNIOR」のハンギョンに続き勃発した点で注目されている
>このような状況について音楽関係者は「マネジメント過程での葛藤や収益配分の問題などが、複合的に作用した結果だ」と口をそろえる
>ある男女アイドルグループの代表は「マネジメント過程で、所属事務所とメンバーは音楽の方向性や番組出演の可否などが原因で、あらゆる葛藤を経験する」とし「この過程で不満がたまると信頼が壊れ、収益配分問題が重なると紛争に至るケースが多い」と伝えた
>また別の女性グループの企画会社の理事は「最近はアイドルグループがアジア圏で活動するにつれ、メンバーの肉体労働に比べて収益が少ないと感じる」とし、「そうなると自分たちの利権を悩むようになり、周囲から様々な提議を受け、心が揺れる」また、「国内市場ではなくてもアジア圏の活動が可能なため、不当な待遇だと思いながらも、積極的に対処する傾向もある」と語った
>このような紛争は、習慣的に所属芸能人を不合理に扱ってきた所属会社に警鐘をならし、標準契約書が導入されるきっかけになることもあった。しかし、この余波が、海外にまで及んだ点から、問題は深刻さを増している
>大衆音楽評論家のカン・テギュ氏は「内需市場から広がる所属事務所とグループ間の葛藤が、努力して築いた韓流人気に水を差すありさまだ」とし「海外で国内の音楽界を見る否定的な視線を育て上げ、K-POPに対しての信頼が失われる」と指摘した
このような紛争を食い止めるための根本的な案は、所属事務所とグループがしっかりとした信頼関係を維持することだ。ある男性グループのマネジャーは「アイドルグループのメンバーは若いため、両親の意見が大きく影響する」とし「両親とも信頼関係を維持し、長期的な懇談会を行う」と紹介した。また、そのような懇談会などを通じ、子どもたちの活動の方向性と収益配分などについて熟知させることで、両親とも信頼関係を築き上げていくことが何よりも重要であると強調した

いわゆる「韓流」人気など作られたものでしかないと俺は思う。この記事が煽るほど、日本人はこんなトラブルに関心を寄せるほど暇ではない。そもそも俺は芸能ネタには興味が無いのだが、この記事は俺が経験した韓国人の商習慣、ビジネス上の流儀に通じるものがあり、無視できないものを感じた。

一見すると、この件は芸能事務所が精神的に未熟な年少アイドルを搾取しているだけの構図だ。韓国人同士、勝手にすれば良いとも思う。しかし韓国と仕事で付き合う日本人がここから学べることは少なくない。

俺の感覚では、韓国人のビジネスは「成り行き任せ」で「契約無視」の二語をもって基本と心得るべきだろうと思う。そしてその奥底には「たかりの構造」がある。

所属のアイドルたちが少し売れるようになるとイケイケドンドンで働かせる。韓国では一族の稼ぎ頭が皆を養うのは当然という風潮がある。このアイドルたちのトラブルのように「稼げるやつには何でもやらせてもっと稼がせる」というやり方であり、「たかり」の発想と根は一緒だ。「金のなる木」はとことん使い倒すという姿勢の前には、アイドルの人権や人格、労働条件など存在しない。

そして日本人が仕事で関わらざるを得なくなったとき何より心しておかねばならないのは、「契約の概念が薄い」ということだ。上の記事で「習慣的に所属芸能人を不合理に扱ってきた所属会社に警鐘をならし、標準契約書が導入されるきっかけになることもあった」とあるとおり、もともと双方協議して契約条件を取り決め、合意の上で文書を交わし、以後はそれに拘束されるという考えが非常に弱い。

従って都合が悪くなれば平気で契約を反故にしてくる。何やかやと屁理屈を捏ねて追加料金は支払わず成果物だけ収めようとする。これでは信頼関係など築ける道理もない。しかし上の記事で指摘されていることは、「紛争を避けるためにはしっかりした信頼関係を築くこと」と極めて当然のことを言っているにすぎない。その当然のことができていない、或いは出来得る素地が無いのがこの国である。

「KARA」やら「東方神起」が何物だか分からぬが、「韓国に親しみを感じる」と能天気なことを言っている日本人にとっては啓蒙の一石になってくれたと言えよう。
posted by 三四郎 at 23:09| Comment(4) | TrackBack(0) | スポーツ・エンタメ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする