2011年12月29日

メディアが日本を駄目にする

TVや新聞など大手メディアが「マスゴミ」と揶揄されるようになって久しい。あからさまな「韓流推し」や一連の震災・原発報道にみるような、良識や取材力の低下がもたらしているとしか思えない偏向報道や番組作りが横行している。大衆受けする「情報商品」の乱造によって日本国民を白痴化しているというしかないこのごろである。

そんな中、暮れも押し迫ってまたぞろ、信じ難い愚行が催されるようだ。女子サッカー日本代表・なでしこジャパンのメンバーが大事な試合を前にして大晦日のNHK・紅白歌合戦に出演するという(日刊スポーツ電子版)

>INAC神戸のMF沢穂希(33)らなでしこジャパンメンバー7人が28日、31日のNHK紅白歌合戦に出演することが決定した。翌日の来年1月1日の全日本女子選手権決勝(東京・国立競技場)進出を決めており、試合前夜にイベント出演するのは極めて異例。当日は午後7時15分の開会宣言を行う予定
>試合前日の出演決定に、日本サッカー協会広報も驚いた。「VTRではないんですよね。佐々木監督の出演は把握しているのですが…」。代表活動中ではあり得ない事態に戸惑いを隠せなかった


NHKにしてみれば「開会宣言」だけで影響は無い、とでも言いたいのだろうか。今年もっとも話題を集めた「時の人」であるだけに「花を添えたい」と番組製作者なら思うだろうが、翌日試合を、それも全日本の決勝戦という重大な試合を控えたプロ選手を引き出す行為にどんな正当性があるのだろうか。

このような判断をメンバー個人レベルで行えるはずがない。協会も把握していないとすれば、そのガードの甘さにも問題があるが、基本的にはNHKが大手の看板を背景にしたゴリ押しと見るべきではないか。

そうでなくとも来年はロンドン五輪を控えて多くの試合をこなし、経験と技術を磨いていく重要な時期のはずである。WC優勝以降、いかに女子サッカーの認知度を上げる効果を期待しているにせよ、少しメディア露出が過ぎるのではないかとかねて思っていただけに、今回の「紅白出演」はオファー自体が非常識に感じる。

こうしてあたら優秀な選手、チームを本業から引き離し、駄目にしていくのではないかと思うのは考え過ぎだろうか。プロスポーツも人気商売、これぐらいファンサービスと心得るべきという考えもあろう。しかしようやく黎明期にある日本女子サッカーが世界の舞台でさらに活躍しようという時期であることを思えば、本業で魅せることを後押しすることこそ、メディアの役目ではないか。「国民的番組だから出演して当然」と考えているとすれば傲慢この上ない。
posted by 三四郎 at 19:36| 千葉 | Comment(0) | TrackBack(1) | スポーツ・エンタメ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年11月19日

神様のいたずら

実に世の中は分からないものである。40数年前の日本の流行歌が米国人の耳に留まり、ジャズとのコラボによって再生し、ジャズの故郷で一位の座を獲得してしまったという(産経電子版/goo)

>歌手の由紀さおり(63)が米ジャズオーケストラと共演し、往年の日本のヒット曲を歌った新作アルバムが、米ネット配信のジャズ部門で1位にランクされ、話題を集めている。収録曲のほとんどを日本語で歌ったCDが国外で注目されるのは異例で、「1963年の坂本九の『SUKIYAKI』以来の快挙」との声も上がっている
>アルバムは、日本で10月12日にリリースされた「1969」(EMIミュージック・ジャパン、3千円)。由紀が米オレゴン州ポートランドのジャズオーケストラ「ピンク・マルティーニ」と共演し、昭和44(1969)年の大ヒット曲「夜明けのスキャット」のほか、いしだあゆみ(63)の「ブルー・ライト・ヨコハマ」のカバー曲などを歌っている。12曲のうち11曲が日本語で、20カ国以上での発売を予定している
>事務所などによると、今月から欧米で発売されたが、米アップルの音楽配信サイト「アイチューンズ・ストア」では2日のジャズ部門でいきなり1位に躍り出た。米ビルボードの19日付ジャズ・アルバムチャートでも初登場5位。さらに、カナダのアイチューンズワールドミュージックチャートで1位など、各国のランキングで軒並み上位にランクインしている
>日本人歌手では、1963(昭和38)年に坂本九の「上を向いて歩こう」が「SUKIYAKI」の題名で米ビルボード3週連続1位になったが、今回のヒットはそれを彷彿とさせる快挙だ
>「とにかくびっくり。神様のいたずらとでもいいましょうか、すばらしい出会いをいただき、歌い続けてきて本当によかった」と由紀本人も驚いた様子で話す
>共演のきっかけは、ピンク・マルティーニのリーダー、トーマス・ローダーデイルが数年前、地元の中古レコード店で昭和44年に発売された由紀のレコードを見つけ、透明感ある歌声にひかれたことだった。本作を企画制作した音楽プロデューサーの佐藤剛さん(59)は「アルバムのテーマの1969年は、世界中で新しい音楽が生まれ輝いていた年であり、それらをリアルタイムで吸収し、日本流に消化して独自の表現を目指したのが歌謡曲。サウンドやテイストはザ・ビートルズやサイモン&ガーファンクルなど当時の世界的なアーティストとつながっており、それで今の海外のリスナーも親近感を覚えるのでは」と話す
>由紀は一昨年、デビュー40周年を迎えた
>「もう一度、日本の歌謡曲という自分の原点に戻りたいとチャレンジしてきました。歌謡曲が世界で認められた気がします


由紀さおりといえば歌唱力には定評があり、「夜明けのスキャット」のようなムード歌謡だけでなく、姉・安田祥子とのデュエットによる日本の童謡や唱歌は幅広い世代に好評を博した。しかし昭和の終焉とともにメディアへの露出度も減り、最近はほとんど忘れかけていた歌手ではなかったか。あるいはそれは、フラットで無機的、陽気で幼い「平成」という時代の流れに押しやられた「昭和の残像」かもしれない。

その往年の名歌手が米国で、しかもジャズ部門という言わば「国技」というべきジャンルで堂々たる高評価を受けている。「本当にいいものは普遍的」と言ってしまえばそれまでだが、また同時に日本のソフトパワーを我々自身きちんと自己評価し、安での海外ソフトで利潤を得るようなビジネスモデルを再考すべきと思わせるものがある。

さらに歌詞のほとんどが日本語であるというあたり、日本のソフト文化に対する一定のリスペクトがあることのあかしであろう。また意図的なプロモーションによる「人気の創出」ではなく、偶然米国人ミュージシャンの心の琴線に触れたという「原点」も、韓流演出に食傷気味の俺には何がしかホッとさせられるものがある。平成に入っていよいよコンテンツの使い捨てが加速しているような感覚を覚えていただけに、考えさせられることも多い。

歳がばれるが、このオリジナル曲は小学校低学年だった俺はリアルタイムで聴いている。そのころは歌に込められた情感や機微など理解できるはずもなかったが、透明感のある歌声は長く耳に残ったものだ。そして長じてからこの人の歌う唱歌に癒された時期もある。まだジャズバージョンは聴いていないが近々是非とも聴きたいものだ。
posted by 三四郎 at 15:13| 千葉 ☔| Comment(4) | TrackBack(3) | スポーツ・エンタメ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年07月18日

なでしこ、世界一

ドイツで行われていたサッカー女子W杯決勝戦は、延長、PK戦の末に日本が世界ランキング1位の米国を下し優勝した(読売電子版)

>サッカーの第6回女子ワールドカップ(W杯)ドイツ大会は17日午後8時45分(日本時間18日午前3時45分)から、フランクフルトで決勝が行われ、初の決勝進出を果たした日本代表(なでしこジャパン)が、3大会ぶり3度目の優勝を目指した世界ランキング1位の米国をPK戦(3―1)で破り、悲願の初優勝を果たした
>日本は69分に後半投入のモーガンに先制されたが、81分に宮間がゴールを決めて同点に追いつき、延長戦に突入した
>104分、ワンバックのゴールで勝ち越されたが、延長戦後半の117分、沢が飛び込んで右足で決め、再び試合を振り出しに戻し、2―2でPK戦に入った
>日本が国際サッカー連盟(FIFA)主催大会で優勝するのは、男女を通じて初めて。世界ランキング4位で6大会連続出場の日本は、これまでベスト8が最高成績だったが、今大会は、準々決勝で3連覇を狙ったドイツを破ると、準決勝でスウェーデンに快勝。決勝でも、過去3分け21敗と1度も勝ったことのなかった米国を初めて破った
沢は今大会の最高殊勲選手(MVP)に選ばれるとともに、通算5得点で得点ランキング1位に輝いた

先制され、同点に追い付き、追加点を許しながらまた追いつき、最後はPK戦で勝ちをもぎとった。あきらめないこと、勝利への執念が形になった試合で、素晴らしいの一語に尽きる。しかも日本は過去直近の大会ではいずれも一次リーグ敗退で、一部のサッカーフリークを除けば、正直ここまでやるとはとても信じられなかったと思う。しかし開催国ドイツ、北欧の強豪スウェーデン、そして米国と並みいる強豪を倒しての堂々たる優勝である。文句のつけようがない。

今回の一連の試合では、日本本来の組織力が絶妙に働いたこと、パス回しやPKでのシュートが非常に正確で、チャンスを自ら作り出したうえそれを確実にモノにしていったことが大きな勝因ではないか。執念だけでなく、日ごろの研究と練習、何より選手、スタッフ相互の信頼感ができていなくては到底達成できなかったはずだ。

震災以後、復旧復興事業や原発収束は醜悪な政治家、企業の保身によって迷走と手戻りを繰り返し、日本国民が大きなフラストレーションと将来への不安を感じているなかで、この快挙は日本にとって単なる朗報以上の価値を持つだろう。日本の各界、各層が鑑とすべきことも多いはずだ。とりわけ保身と沈滞の政界・業界への「括」として受け止めてほしい人間が多くいる。

刮目し覚醒せよ、日本。
posted by 三四郎 at 08:26| Comment(2) | TrackBack(22) | スポーツ・エンタメ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年07月10日

「なでしこ」が行く

正直それほどスポーツに関心があるわけではないのだが、サッカー、野球、バレー等の球技の国際試合になると俄然その行方が気になるから不思議だ。やはり「日の丸を背負って戦う」ことに日本人としての誇りを共有するのだろう。

女子サッカーワールドカップで日本(「なでしこジャパン」というネーミングのセンスにはついていけない)が開催国にして強豪のドイツを下し、初の4強となる快挙を成し遂げた(CNN日本語電子版)

>サッカーの女子ワールドカップ(W杯)ドイツ大会は9日、準々決勝2試合が行われ、日本は強豪ドイツを1ー0で下し、初の準決勝進出を決めた。日本は、10日にある準々決勝のオーストラリアースウェーデン戦の勝者と13日に対戦する
>ドイツは地元開催で大会3連覇を狙ったが、果たせなかった。同国の女子代表チームが試合で敗れたのは1999年以降、初めて
>ウォルフスブルクでの試合は無得点のまま延長戦に突入。延長後半3分、日本は主将でもあるMF沢穂希のパスを受けた途中出場のFW丸山桂里奈がゴール左に打ち込んで決勝点をもぎ取り、逃げ切った。ドイツはその後、猛攻を仕掛けたが、実らなかった
>準々決勝のもう1試合、イングランドーフランス戦はレバークーゼンで行われ、延長戦を終えて1―1となってPK戦に入り、フランスが初の準決勝進出を決めた

Bグループの第一シードという地位を獲得していた日本だが、まさかここまで勝ち進むとは思わなかった。ドイツ戦の勝因は数少ないチャンスを確実に生かしたことと、鉄壁のディフェンスということに尽きるようだ。それにしても8強に残ったのは欧州と豪という体格・体力において勝り、男子サッカーでも強豪と言われる国ばかりである。いつのまに日本女子はここまで強くなったのか、というのが正直な感想だ。

ここまでくれば目標は一つ、優勝狙いしかないだろう。いずれどのような結果になろうと、震災で疲弊し、政治の混乱を見せつけられて意気上がらない日本国民に対し、この上ないエールとなることは間違いない。「なでしこ」が開花するときを信じて待ちたい。
posted by 三四郎 at 18:49| Comment(0) | TrackBack(0) | スポーツ・エンタメ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月28日

希望への先駆

大震災以降、いやそれ以前もだが、このところ日本に関していいニュースが少なくなっていた。ようやく復旧に向けた動きが本格化しつつも、改善しているのかいないのかさっぱり分からぬ原発、東日本全体に広がるモノ不足感が日本全体のマインドを低下させている。イベントの相次ぐキャンセルや節電のため暗くなった東京の繁華街は象徴的な姿である。

そんな中、日本に関係した快挙が中東の地から発せられた。世界最高賞金を競う競馬レースのドバイWCにおいて、日本の調教馬が1・2位を独占したという(ロイター電子版)

競馬の世界最高賞金レース、ドバイ・ワールドカップ(2000メートルオールウエザー、G1)が26日、アラブ首長国連邦(UAE)のメイダン競馬場で行われ、ミルコ・デムーロ騎手騎乗のヴィクトワールピサ(牡4歳)が優勝。日本調教馬として初めて同レースの頂点に立ち、1着賞金600万ドル(約4億9000万円)を獲得した
2着には藤田伸二騎手騎乗のトランセンド(牡5歳)が入り、日本馬がワンツーフィニッシュを飾った。ライアン・ムーア騎手騎乗のブエナビスタ(牝5歳)は8着に終わった
>勝ったデムーロ騎手はレース直後、興奮を抑えきれないまま「信じられない」と感想を語ると、涙を見せながら「日本のために祈っていた。日本を愛してる。ありがとう」と大震災に見舞われた日本にメッセージを送った
>ヴィクトワールピサはスタート直後こそ最後方に付けたが、向正面で追い上げ、逃げたトランセンドをぴったりマーク。直線に入ってトランセンドをかわすと、半馬身差でゴールを駆け抜けた
>デムーロ騎手は「いつもスタートは良かったが、今回は上手くいかなかった。それでも、向正面でスローペースになったのがラッキーだった。先頭の馬をいい位置でマークできた」とレースを振り返った
2着と健闘した藤田騎手は「現在、日本の被災者が困難な時期に直面している時に、2着に入ることができ、この結果にはとても満足している」と話した。一方、見せ場を作れなかったムーア騎手は「競馬にならなかった」と悔やんでいた

これは日本の競馬界にとっては一も二もない快挙であろうが、同時に未曾有の大災害に打ちひしがれ、日々の艱難辛苦に必死に耐えている被災者や、直接の被害は少なくとも知り合いを失い、仕事が滞り、この国の将来に不安を抱いている多くの日本人にとって大きなエールになることも間違いない。

節電はつらい。モノ不足も困る。放射能は怖い。しかし被災者はもっともつらい。そんな中で被災地でさえ、明日のために再び歩き出そうとしている。無傷あるいは被害の少なかった我々が委縮し落胆していては始まらない。一人ひとりが自己の持ち場で歩き続けるしかない。一人の踏み出す一歩が集まって日本の一歩になる。2頭の日本の馬たちは、俺にはその先駆けに映る。
posted by 三四郎 at 00:00| Comment(2) | TrackBack(3) | スポーツ・エンタメ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする